“いばら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イバラ
語句割合
53.2%
荊棘24.6%
10.3%
8.9%
薔薇1.5%
0.5%
芒刺0.5%
𦮯棘0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我々のよじ登ったこの天然の高台にはいばらが一面をおおっていて、大鎌がなかったらとても先へ進むことができまいということがすぐわかった。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
いばらか、野棗のなつめか、とげばかりが脚を刺した。帝も陳留王も生れて初めて、こうした世のあることを知ったので、生きた気もちもなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
往来に立った少年の足もと。小さい花束が一つ落ちて来る。少年の手はこれを拾う。花束は往来を離れるが早いか、いつかいばらの束に変っている。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
辛苦の中、障害の中、舗石しきいしの上、荊棘いばらの中、時には泥濘でいねいの中に、足をふみ入れながら、頭は光明に包まれて、彼は生きる。
人生の、ひとつの、より輝かしい時期じきが、私にはじまつたと思つた——花やよろこびと共に、荊棘いばらや辛勞をも受けるであらう時期。
彼の妻や子でさえも、彼のこの所作しょさを、やはり荊棘いばらの冠をかぶらせるのと同様、クリストに対する嘲弄ちょうろうだと解釈した。
さまよえる猶太人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
多少凸凹でこぼこのある岸の平地から後方鳥喰崎の丘にかけて、いばらのような細かい雑草や、ひねくれた灌木だの赤味を帯びた羊歯類の植物だのが
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
しかし群集は喜ばなかった。イエスを戸外そとへ引き出した。いばらかんむりを頭に冠せ、紫の袍を肩へ着せ、そうして一整に声を上げた。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鸚鵡おうむのような一羽の秦吉了しんきちりょうが飛んで来ていばらの上にとまって、つばさをひろげて二人をおおった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「アリョーシャ」を創造したドストエフスキーは一生のいばらの道の後に於て遂に自らの魂に安息を与へ得た唯一の異例の作家であると考へたのだ。
四五人で答へたらしい、いばらの実は又しきりに飛ぶ、記念かたみきぬは左右より、衣紋えもんがはら/\と寄つてはけ、ほぐれてはむすぼれ
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
茅屋ぼうおくのほとりにある大きな枯れたくさむらは、長い年代のために消えてしまってる燃ゆるいばらであった。
水藻、ヒヤシンスの根、海には薔薇いばらのり、風味あやしき蓴菜は濁りに濁りし沼に咲く、なまじ清水に魚も住まず。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
水藻、ヒヤシンスの根、海には薔薇いばらのり、風味あやしき蓴菜は濁りに濁りし沼に咲く、なまじ清水に魚も住まず。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
薔薇いばらみち、蹈めば濡羽ぬれはのつばくらめ、
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あるとき児ども一処いっしょに集まりいたとき、父下人げにんうで、『樹のいばらをあまたたばねて持ってこい』というて、そのつかねを執って
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここにおいてか獣すなわち啖うその中地ところ土および諸草木すこしく絳色こうしょくを帯び血染のごとし、人その地をむ者芒刺いばらを負う、疑うと信ずるとをいうなく
傑作「ファウストの劫罰ごうばつ」はベートーヴェンの死の翌年には着手され、その翌々年—一八三〇年には、早くも標題楽の最初の傑作「幻想交響曲」に着手し、近代音楽の𦮯棘いばらみちを開きつつあったのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)