“楚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
57.1%
ずわえ8.6%
ズハエ8.6%
すはえ5.7%
すばえ5.7%
5.7%
いばら2.9%
すわえ2.9%
ずはえ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一、余、去年已来いらい心蹟百変、あげて数へがたし。なかんづく、ちようの貫高をこひねがひ、の屈平を仰ぐ、諸知友の知るところなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
ぐつと臂を張つたやうにしやに構へた太い本枝の骨組の勁さ。一気にさつと線を引いたやうに、ながく延び切つたずわえの若々しい気随さ。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
さうして其處で、まどろんで居る中に、悠々ウラヽヽと長い春の日も、暮れてしまつた。孃子は、家路と思ふ徑を、あちこち歩いて見た。脚は茨の棘にさゝれ、袖は、木のズハエにひき裂かれた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
すはえ立つ古木こぼくの梅にふる雨のあかつきの雨の寒くしぶけり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかもその後からはすばえをふり上げた若殿様が「柑子かうじ盗人ぬすびとめ、待て。待て。」と仰有おつしやりながら、追ひかけていらつしやるのではございませんか。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
准南子えなんじニ曰ク「養由基ヨウユウキ楊葉ヨウヨウヲ射ル、百発百中、恭王キョウオウ猟シテ白猿ヲ見ル、樹ヲメグッテヲ避ク、王、由基ニ命ジ之ヲ射シム、由基始メ弓ヲ調ベ矢ヲム、猿スナワチ樹ヲ抱イテサケブ」
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
下人げにんうで、『樹のいばらをあまたたばねて持ってこい』というて、そのつかねを執って、数多あまたを一つにして縄をもって思うさま堅う巻きたてて子どもに渡いて『これを折れ』という
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すわえの先にながむし死骸しがいをひっかけた、町の子供が三四人、病人の小屋の外を通りかかると、中でもいたずらな一人が、遠くから及び腰になって、そのながむしを女の顔の上へほうり上げた。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さうして其処で、まどろんで居る中に、悠々うら/\と長い春の日が暮れてしまつた。嬢子は、家路と思ふ径をあちこち歩いて見た。脚は茨の棘にさゝれ、袖は木のずはえにひつぱられた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)