“苦楚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くそ60.0%
くるしみ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
予の所見に従へば、人類は百般の無用の事に百般の苦楚くそあぢはつてゐる。……予はすでに老人である。生命の太陽も沈まうとしてゐる。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何等の記録も残っていないが、しかもこの十年ばかりの間こそ、翁が芸道保存のために最惨澹たる苦楚くそめた時代で、同時に翁の真面目が最もよく発揮された時代であった。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
わが負債おひめは今も猶苦楚くるしみらさるゝことなかりしなるべし 一二四—一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ウカウカと文三がつかませられるままに掴んで、あえだりもんだり円めたり、また引延ばしたりして骨を折て事実ものにしてしまい、今目前にその事が出来しゅったいしたように足掻あがきつもがきつ四苦八苦の苦楚くるしみ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)