“出来”のいろいろな読み方と例文
旧字:出來
読み方割合
しゅったい44.0%
でき24.2%
でか13.6%
でけ7.0%
いでき2.8%
いできた2.5%
しゆつたい1.1%
でく1.1%
しゅつらい0.8%
いでく0.6%
しゆつらい0.6%
いでこ0.3%
しつたい0.3%
しゅつたい0.3%
ぜき0.3%
デカ0.3%
デコ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ひと通りのことはさっき幸次郎さんにもお話し申したのでございますが、手前どもの店に少々困ったことが出来しゅったいいたしまして……」
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
笠森かさもりのおせんだと、だれいうとなくくちからみみつたわって白壁町しろかべちょうまでくうちにゃァ、この駕籠かごむねぱなにゃ、人垣ひとがき出来できやすぜ。のうたけ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
斯かる例を見るからは、最早や如何なる怨魔出で来るとも、退散させて弥陀の念仏。一宗再興疑いなし。出来でかしたぞ堅田の源右衛門。
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そら綿貫のいうたことかて一から十まで信用出来でけしませんし、あの着物取られた晩でもたしかに綿貫が指図さしずしたのんと違うかしらん。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
是はいかなる事の出来いできぬると、門人等も大に恐れ早く師に由を告ぐべしと、一両人の門弟走り出でんとせしに
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
普通なみの小さきものとは違いて、夏の宵、夕月夜、ひともす時、黄昏たそがれには出来いできたらず。初夜すぎてのちともすればその翼もて人のおもておおうことあり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「甚だ御苦労でございますが、ちよつとした事件が出来しゆつたいしましたのです。それにレオニツド・グレゴレヰツチユが市中にゐないものですから。」
父はじろりと母を見てからからと笑いながら「なあ難波君、学問の出来でく細君おくさんは持つもんじゃごわはん、いやさんざんな目にあわされますぞ、あはははは」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
しかし、大島如雲氏の手に掛かって鋳物にして、また見直したことで、その年の中に鋳造も出来しゅつらいして御造営事務局へ彫工会から納めました。
華御座はなござは届申候哉。これは山南さんなと申処にて出来いでく。神辺をさること五里。(日本里程。)かの方にしる人有之、宜くたのむと申遣し候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私の仲間が九人、研究室のストーブを破れる程に、石炭を燻べて室を温め、画架を林のやうに立て彼女の出来しゆつらいを待つてゐた。
裸婦 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
否、我とてもそのすぐなる心を知り、かたちにくからぬを見る目なきにあらねど、年頃つきあひしすゑ、わが胸にうづみ火ほどのあたたまりも出来いでこず。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そりやいまむかしと違ふから、独身も本人の随意だけれども、独身のためおやや兄弟が迷惑めいわくしたり、はては自分の名誉に関係くわんけいする様な事が出来しつたいしたりしたらうする気だ
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三十日の午後には、五、六尺のトンネルができた、と、とつぜんふしぎな事件が出来しゅつたいした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
八「はせな、身体かあだすびれてあうけねい、す事が出来ぜきねい、ホリャ困っさな、女中衆ぞつうす/\」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これで、始めて出来デカしたといふ評判を得た。出来るといつても、容貌が問題になるので、源之助の場合は恐らく容貌や姿が助けてゐたらうと思ふ。
役者の一生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
幹毎モトゴトに花は咲けども、何とかも ウツクし妹がまた咲き出来デコぬ(孝徳紀)
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)