“昔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかし80.6%
むか13.3%
かみ2.9%
いにしえ1.3%
いにしへ0.5%
カミ0.5%
いにし0.3%
むかす0.3%
もと0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ねんじゅうがそうであり、百ねんあいだが、そうであったにちがいない。そしてこの山々やまやまは、むかしも、いまも、永久えいきゅうにだまっているのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかし来た時とはまるで見当が違う。晩餐ばんさんを済まして、湯にって、へやへ帰って茶を飲んでいると、小女こおんなが来てとこべよかとう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今日は赤坂八百勘にて、そのかみの同窓生が、忘年会の催しありとて、澄が方へも、かねてその案内あり。午後五時よりとの触れ込なれど。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
いにしえの国主の貴婦人、簾中れんちゅうのようにたたえられたのが名にしおう中の河内かわち山裾やますそなる虎杖いたどりの里に、寂しく山家住居やまがずまいをしているのですから。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飛衞ひゑいいにしへるものなり。おなとき紀昌きしやうといふもの、飛衞ひゑいうてしやまなばんとす。をしへいはく、なんぢまづまたゝきせざることをまなんでしかのち可言射しやをいふべし
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
カミの神授の儘と信じられてゐる詞章を唱へ、精霊の記憶を喚び起す為に、常世神と其に対抗する精霊とに扮した神人が出て、呪言の通りを副演する。
だから耶蘇教徒は父のために存在している。儒者じゅしゃ孔子こうしのために生きている。孔子もいにしえの人である。だから儒者は父のために生きている。……
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むかすの間貫一はすんですもうとる」
美代子みよこさんは、ちょうど十二でした。このごろは、からだわるいので学校がっこうやすんで、医者いしゃにかかっていました。けれどなかなかもとのように元気げんきよく、くなおりませんでした。
千代紙の春 (新字新仮名) / 小川未明(著)