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むかし
ふりがな文庫
“
昔
(
むかし
)” の例文
一
年
(
ねん
)
じゅうがそうであり、百
年
(
ねん
)
の
間
(
あいだ
)
が、そうであったにちがいない。そしてこの
山々
(
やまやま
)
は、
昔
(
むかし
)
も、
今
(
いま
)
も、
永久
(
えいきゅう
)
にだまっているのでした。
考えこじき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
内
(
うち
)
より
明
(
あ
)
けて
面
(
おもて
)
を
出
(
いだ
)
すは
見違
(
みちが
)
へねども
昔
(
むかし
)
は
殘
(
のこ
)
らぬ
芳之助
(
よしのすけ
)
の
母
(
はゝ
)
が
姿
(
すがた
)
なり
待
(
ま
)
つ
人
(
ひと
)
ならで
待
(
ま
)
たぬ
人
(
ひと
)
の
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らず
佇
(
たゝず
)
むかげに
驚
(
おどろ
)
かされて
物
(
もの
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
また
貝殼
(
かひがら
)
の
一方
(
いつぽう
)
しかないといふことは、
自然
(
しぜん
)
にたまつたものでなく、
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
が
食
(
く
)
つて
殼
(
から
)
をすてたものであるといふほかはないのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
私がこの日頃そこに近寄るのを努めて
避
(
さ
)
けるようにしていた、私の
昔
(
むかし
)
の女友達の
別荘
(
べっそう
)
の前を通らなければならないことを認めたのだ。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
雨
(
あめ
)
の
日
(
ひ
)
のつれ/″\に、
佛
(
ほとけ
)
、
教
(
をし
)
へてのたまはく、
昔
(
むかし
)
某
(
それ
)
の
國
(
くに
)
に
一婦
(
いつぷ
)
ありて
女
(
ぢよ
)
を
生
(
う
)
めり。
此
(
こ
)
の
婦
(
をんな
)
恰
(
あたか
)
も
弱竹
(
なよたけ
)
の
如
(
ごと
)
くにして、
生
(
うま
)
れし
女
(
むすめ
)
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
し。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
これはむろん
恋情
(
れんじょう
)
からではありません。ただ
昔
(
むかし
)
の愛情の思い出と、あなたに、お聞きしたかったことが、聞けなかった心残りからです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
雁の童子と仰っしゃるのは、まるでこの
頃
(
ごろ
)
あった
昔
(
むかし
)
ばなしのようなのです。この地方にこのごろ
降
(
お
)
りられました
天童子
(
てんどうじ
)
だというのです。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
定
(
さだ
)
めてあの
張作霖
(
ちやうさくりん
)
がそんな
風
(
ふう
)
に
相好
(
さうかう
)
を
崩
(
くづ
)
してのけぞり
返
(
かへ
)
つただらうと
思
(
おも
)
ふと、その
昔
(
むかし
)
馬賊
(
ばぞく
)
の
荒武者
(
あらむしや
)
だつたといふ
人
(
ひと
)
のよさも
想像
(
さうざう
)
されて
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
あれより外に自慢するものは何もない。所が其富士山は
天然
(
てんねん
)
自然
(
しぜん
)
に
昔
(
むかし
)
からあつたものなんだから仕方がない。
我々
(
われ/\
)
が
拵
(
こしら
)
へたものぢやない
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ふん。
昔
(
むかし
)
も
今
(
いま
)
もあるもんじゃねえ。
隣近所
(
となりきんじょ
)
のこたァ、
女房
(
にょうぼう
)
がするに
極
(
きま
)
ッてらァな。
行
(
い
)
って、こっぴどくやっ
付
(
つ
)
けて
来
(
き
)
ねえッてことよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
古
(
ふる
)
い/\
昔
(
むかし
)
は、この
一帶
(
いつたい
)
は
暖帶林
(
だんたいりん
)
の
上部
(
じようぶ
)
から
温帶林
(
おんたいりん
)
の
下部
(
かぶ
)
に
屬
(
ぞく
)
する
樹木
(
じゆもく
)
、すなはち
常緑
(
じようりよく
)
の
濶葉樹
(
かつようじゆ
)
や
落葉樹
(
らくようじゆ
)
でおほはれてゐたのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
大地震
(
だいぢしん
)
のときは
大地
(
だいち
)
が
裂
(
さ
)
けてはつぼみ、
開
(
ひら
)
いては
閉
(
と
)
ぢるものだとは、
昔
(
むかし
)
から
語
(
かた
)
り
傳
(
つた
)
へられて
最
(
もつと
)
も
恐怖
(
きようふ
)
されてゐる
一
(
ひと
)
つの
假想現象
(
かそうげんしよう
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ただ
其折
(
そのおり
)
弟橘姫様
(
おとたちばなひめさま
)
御自身
(
ごじしん
)
の
口
(
くち
)
づから
漏
(
もら
)
された
遠
(
とお
)
き
昔
(
むかし
)
の
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
話
(
ばなし
)
——これはせめてその
一端
(
いったん
)
なりとここでお
伝
(
つた
)
えして
置
(
お
)
きたいと
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
召返し寶田村名主役仰付られければ
爰
(
こゝ
)
に於て傳吉は
寶田村
(
たからだむら
)
の名主になり
昔
(
むかし
)
に歸る古卿の
錦
(
にしき
)
家を求て造作なし夫婦の中も
睦
(
むつま
)
しく樂き光陰を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
数寄屋河岸
(
すきやがし
)
の
真顔
(
まがほ
)
が、「イヤ
是
(
これ
)
は
大方
(
おほかた
)
二十一
日
(
にち
)
であらう、「
昔
(
むかし
)
」と
云
(
い
)
ふ
字
(
じ
)
ハ、廿一
日
(
にち
)
と書くから、まア廿一
日
(
にち
)
に
行
(
い
)
つて見なさい。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
いて
鉢
(
はち
)
かつぎが、ふとそちらを
見
(
み
)
ますと、それは
見
(
み
)
るかげもなくやつれてはいるものの、まぎれもない
昔
(
むかし
)
のおとうさんでした。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
しかしながら
昔
(
むかし
)
の
歌人
(
かじん
)
は、
秋
(
あき
)
は
悲
(
かな
)
しいものだと
感
(
かん
)
じることの
出來
(
でき
)
るのは、
自分
(
じぶん
)
の
歌人
(
かじん
)
としての
大事
(
だいじ
)
の
資格
(
しかく
)
だとおもつてゐました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
今からおよそ五十余年の
昔
(
むかし
)
、
普仏戦争
(
ふふつせんそう
)
の起こるすこし前、フランス陸軍省の
主催
(
しゅさい
)
でパリーの
郊外
(
こうがい
)
に射的大会が
開催
(
かいさい
)
されました。
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
『これが
私
(
わたくし
)
の
妻
(
つま
)
春枝
(
はるえ
)
。』と
私
(
わたくし
)
に
紹介
(
ひきあは
)
せ、
更
(
さら
)
に
夫人
(
ふじん
)
に
向
(
むか
)
つて、
私
(
わたくし
)
と
彼
(
かれ
)
とが
昔
(
むかし
)
おなじ
學
(
まな
)
びの
友
(
とも
)
であつた
事
(
こと
)
、
私
(
わたくし
)
が
今回
(
こんくわい
)
の
旅行
(
りよかう
)
の
次第
(
しだい
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
昔
(
むかし
)
のまゝ
練壁
(
ねりかべ
)
は
處々
(
ところ/″\
)
崩
(
くづ
)
れ
落
(
お
)
ちて、
瓦
(
かはら
)
も
完全
(
くわんぜん
)
なのは
見當
(
みあたら
)
ぬ
位
(
くらゐ
)
それに
葛蔓
(
かづら
)
が
這
(
は
)
い
上
(
のぼ
)
つて
居
(
ゐ
)
ますから、
一見
(
いつけん
)
廢寺
(
ふるでら
)
の
壁
(
かべ
)
を
見
(
み
)
るやうです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
こんなうるさい
蠅
(
はい
)
でも、
道連
(
みちづ
)
れとなれば
懐
(
なつ
)
かしく
思
(
おも
)
はれたかして、
木曾
(
きそ
)
の
蠅
(
はい
)
のことを
發句
(
ほつく
)
に
讀
(
よ
)
んだ
昔
(
むかし
)
の
旅人
(
たびゞと
)
もありましたつけ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
涙
(
なみだ
)
のしぜんとにじみだす目に五人の姿はぼやけた。いつまでそうもしておられぬと気づくと、きゅうに
昔
(
むかし
)
の先生ぶりにもどり
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
それは、この時分からも、もっともっと
昔
(
むかし
)
、
新羅
(
しらぎ
)
の国の
阿具沼
(
あぐぬま
)
という
沼
(
ぬま
)
のほとりで、ある日一人の女が
昼寝
(
ひるね
)
をしておりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「さようでございます。
昔
(
むかし
)
からのご
縁故
(
えんこ
)
で、わたくしは、どこでもよいから、徳川さまのご
領地
(
りょうち
)
に住みたいと願っております」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時に帝諸将士を
誡
(
いまし
)
めたまわく、
昔
(
むかし
)
蕭繹
(
しょうえき
)
、兵を挙げて
京
(
けい
)
に入らんとす、
而
(
しか
)
も
其
(
その
)
下
(
しも
)
に令して曰く、一門の
内
(
うち
)
自ら兵威を極むるは、不祥の極なりと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
昔
(
むかし
)
は
金瓶楼
(
きんぺいろう
)
の
小太夫
(
こだいふ
)
と
云
(
い
)
はれた
蘿月
(
らげつ
)
の恋女房は、
綿衣
(
ぬのこ
)
の
襟元
(
えりもと
)
に
手拭
(
てぬぐひ
)
をかけ
白粉焼
(
おしろいや
)
けのした
皺
(
しわ
)
の多い顔に一ぱいの
日
(
ひ
)
を受けて
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
在所の年寄仲間は、御坊さんの
裏
(
うら
)
の
竹林
(
たけばやし
)
の
中
(
なか
)
にある
沼
(
ぬま
)
の
主
(
ぬし
)
、なんでも
昔
(
むかし
)
願泉寺の開基が真言の
力
(
ちから
)
で
封
(
ふう
)
じて置かれたと云ふ
大蛇
(
だいじや
)
が
祟
(
たヽ
)
らねば善いが。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
すると
他
(
ほか
)
の
小猿
(
こざる
)
が「おれの
父様
(
ちやん
)
はもつと
豪
(
えら
)
いや、
鬼
(
おに
)
ヶ
島
(
しま
)
を
征伐
(
せいばつ
)
にいつたんだもの」「うそだあ、ありや
昔
(
むかし
)
の
事
(
こと
)
ぢやないか」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
勘次
(
かんじ
)
も
泣
(
な
)
きだから、それでも
今
(
いま
)
に
生計
(
くらし
)
もだん/\
善
(
よ
)
くなんだらうから、さうすりや
惡
(
わる
)
くばかりもすまいよ、どうも
昔
(
むかし
)
から
合性
(
あひしやう
)
が
惡
(
わる
)
いんだからね
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その
頂上
(
てうじやう
)
には
古
(
ふる
)
い
昔
(
むかし
)
から、
大理石
(
だいりせき
)
のやうに
硬
(
かた
)
くて
真白
(
ましろ
)
な
雪
(
ゆき
)
が
凍
(
こほ
)
りついてゐて、
壁
(
かべ
)
のやうにそゝり
立
(
た
)
つ、そこまで、まだ
誰一人
(
だれひとり
)
攀
(
よ
)
ぢ
登
(
のぼ
)
つた
者
(
もの
)
がない。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
しかし
此
(
この
)
説明
(
せつめい
)
は
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
せなかつた。
子供
(
こども
)
には
昔
(
むかし
)
の
寒山
(
かんざん
)
が
文殊
(
もんじゆ
)
であつたのがわからぬと
同
(
おな
)
じく、
今
(
いま
)
の
宮崎
(
みやざき
)
さんがメツシアスであるのがわからなかつた。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
まち
子
(
こ
)
は、ふと
昔
(
むかし
)
のことを
考
(
かんが
)
へると、なんとなく
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
が
急
(
きふ
)
にいとしいものゝやうに
思
(
おも
)
はれて、そのいとしいものをかい
抱
(
いだ
)
くやうに
身
(
み
)
をすくめた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
かれは、
昔
(
むかし
)
の武士が
一騎打
(
いっきう
)
ちの敵にでも呼びかけるような気持ちになり、一度息をのんでから、さけぶようにいった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
僕
(
ぼく
)
は又滝田
君
(
くん
)
の
病中
(
びょうちゅう
)
にも一
度
(
ど
)
しか
見舞
(
みま
)
うことが出来なかった。滝田
君
(
くん
)
は
昔
(
むかし
)
夏目先生が「金太郎」とあだ名した滝田
君
(
くん
)
とは
別人
(
べつじん
)
かと
思
(
おも
)
うほど
憔悴
(
しょうすい
)
していた。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
物
(
もの
)
に
魂
(
たましひ
)
があるとの
想像
(
さうざう
)
は
昔
(
むかし
)
からあるので、
大
(
だい
)
は
山岳
(
さんがく
)
河海
(
かかい
)
より、
小
(
せう
)
は一
本
(
ぽん
)
の
草
(
くさ
)
、一
朶
(
だ
)
の
花
(
はな
)
にも
皆
(
みな
)
魂
(
たましひ
)
ありと
想像
(
さう/″\
)
した。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
人間とは、なんの
関係
(
かんけい
)
もないのですから。われわれと、ゴットランド島の、ある
農園
(
のうえん
)
のお
百姓
(
ひゃくしょう
)
さんたちのあいだには、
昔
(
むかし
)
から、取りきめがあるのですよ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
不憫
(
ふびん
)
で、そして、いま「男だ」と云ったばかりの薫の声が遠い
昔
(
むかし
)
から自分に
授
(
さずか
)
っていた決定的な男性の声のような
頼母
(
たのも
)
しさを感じて
嬉
(
うれ
)
し泣きに泣けて来た。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
悪事
(
あくじ
)
をやりだせば、こんなおそろしい
敵
(
てき
)
はない。そいつがおれの
家
(
いえ
)
にまいこんできたんだ。それにやつは、
昔
(
むかし
)
の友だちのグリッフィンだというのだから……
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
今は
昔
(
むかし
)
、もうずっとの昔のことですが、北海道にコロボックンクルという、
妙
(
みょう
)
な神様が住んでおられました。
蕗の下の神様
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
かつては豊満な
脂肪
(
しぼう
)
で柔かった肩も今は痛々しいくらい痩せて、寺田は気の遠くなるほど悲しかったが、一代ももう寺田に肩を噛まれながら
昔
(
むかし
)
の喜びはなく
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
昔
(
むかし
)
トゥロンというフランスのある町に、
二人
(
ふたり
)
のかたわ者がいました。
一人
(
ひとり
)
はめくらで一人はちんばでした。
かたわ者
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
夫人はその時のことを追想して、
草双紙
(
くさぞうし
)
で読んだ
昔
(
むかし
)
物語を、そっくり現実に経験した様だったと言ってる。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
A ラヴレターなら
昔
(
むかし
)
から、
馬
(
うま
)
に
積
(
つ
)
んだら七
駄半
(
だはん
)
なんて
云
(
い
)
ふ
先例
(
せんれい
)
があるんだけれど、
母親
(
はゝおや
)
へ
毎日
(
まいにち
)
缺
(
か
)
かさずは
全
(
まつた
)
く
感心
(
かんしん
)
だね。
蓋
(
けだ
)
し
葉書利用法
(
はがきりようはふ
)
の
最上乘
(
さいじやうじよう
)
なるものかね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
そうですね……もうずっと
昔
(
むかし
)
のことです。汽車をうんてんして、ある山
奥
(
おく
)
を、
夜中
(
よなか
)
に走っていました。
ばかな汽車
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
玄竹
(
げんちく
)
、
辯
(
べん
)
ちやらが
大嫌
(
だいきら
)
ひでござりますで、
正直
(
しやうぢき
)
なところ、
殿樣
(
とのさま
)
ほどのお
奉行樣
(
ぶぎやうさま
)
は
昔
(
むかし
)
からございません。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
昔
(
むかし
)
、三
苗
(
べう
)
氏
(
し
)
は
(七六)
洞庭
(
どうてい
)
を
左
(
ひだり
)
にし、
(七七)
彭蠡
(
はうれい
)
を
右
(
みぎ
)
にせしが、
徳義
(
とくぎ
)
修
(
をさま
)
らず、
禹
(
う
)
之
(
これ
)
を
滅
(
ほろ
)
ぼせり。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「君が腹の満ちた
恰好
(
かっこう
)
で、一ツのものを夫に
与
(
あた
)
えるのは、それア
昔
(
むかし
)
の美談だよ。一ツしかなかったら、二ツに割って食べればいいだろう、何もなかったら、二人で
飢
(
う
)
えるさ」
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「いやらしいこと、おつしやらないで
下
(
くだ
)
さい。
刈谷
(
かりや
)
さんは
知
(
し
)
つています。
昔
(
むかし
)
からの
知合
(
しりあい
)
です。でも、あんなケチンボでへんくつな
男
(
おとこ
)
に、どうして
世話
(
せわ
)
になんかなるものですか」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「
昔
(
むかし
)
、
竹
(
たけ
)
の
中
(
なか
)
から、
金
(
きん
)
の
光
(
ひかり
)
がさしたという
話
(
はなし
)
があるが、どうだ、
小判
(
こばん
)
でも
落
(
お
)
ちていたか。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それからまた、戸口に書いてある名前や、
昔
(
むかし
)
のままにかかっている看板を見せてやったりしました。その人たちは、小さい中庭では貝がらで
飾
(
かざ
)
られた
噴水
(
ふんすい
)
受けの
水盤
(
すいばん
)
を見ました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
昔
常用漢字
小3
部首:⽇
8画
“昔”を含む語句
疇昔
往昔
昔日
昔語
古昔
今昔
昔者
昔話
昔時
昔噺
今昔物語
在昔
昔人
其昔
昔馴染
大昔
一昔
昔年
昔代
昔譚
...