“むかし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムカシ
語句割合
62.4%
往時6.2%
往昔5.4%
昔時5.4%
3.9%
以前2.8%
2.6%
昔日1.9%
古昔1.3%
往古1.3%
往年0.9%
在昔0.6%
旧時0.6%
過去0.6%
古代0.4%
太古0.4%
昔者0.4%
疇昔0.4%
徃時0.2%
原始0.2%
当時0.2%
往事0.2%
往日0.2%
0.2%
曩昔0.2%
曩時0.2%
維新前0.2%
維昔0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よりけてすは見違へねどもらぬ芳之助姿なりならでたぬひもらずむかげにかされて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何卒してお新を往時心地に返らせたいと思って、山本さんは熱海まで連れて行ったが、駄目だった。そこで今度は伊東の方へ誘った。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いつもの道だが、加茂川から一二丁の間隔を置いて平行にはしつてゐる高い堤(それは往昔の加茂川のそれではないかと思ふ)
と、隠居たちが派手なしきたりや、お鯉自身もどんなに困っても昔時の通りだということを、どうしようもないようにくように話した。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
の学者は『書を以て書を読む』と言つてゐるが、実際さういふ風にならなければ、複雑な進んだ読方は出来ないものである。
小説新論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
淵瀬の以前知らぬ人も気の毒がり、水臭からぬ隣の細君、お秋が提ぐる手桶の、重さうなるを、助けて運びくるる事もあり。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
に返し得べき未練の吾に在りとや想へる、愚なる精衛のりて大海めんとするやと、りてに自ら守らんとも為なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
国民の膏血を分けて貰つて、不義の栄耀り、其手先となつて昔日朋友の買収運動をさへなさるとは、姉さん、まア、何と云ふ堕落でせうか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
古昔文帝の中書學生に盧度世と云者あり崔浩の事に坐し亡命高陽の鄲羆の家に竄る官吏の子をて之を掠治其子をめて曰君子は身を殺て
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは往古、漢土から爆竹の風が伝わって、左義長と言って代々行われた土俗が遺っているのである。
そぞろに金三の上忍ばれて、お艶に金三の事聞き合はす時あれど。お艶はいつも不興気にて、父様とは往年の事、私をもお前をも、お捨てなされし淵瀬様の事、いつまでも父様といふものでなし。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
在昔何国のなにがしは、いったん絶命して再び蘇生する間に、あるいは極楽を見、あるいは地獄をうて帰れりといい、また第三問題に対しては、死したる子供を葬るときに
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
この縁故の深い、旧時恋しい人の前に、三吉は考え沈んで、頭脳の痛くなるような電車の響を聞いていた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「エエほんとに、怖ろしい故郷ね、あそこの憶い出に、一つだッて、いい過去はありゃしません」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宛然古代に帰つた様な気持ぢやありませんか!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
昔者プラトー、ソクラテスの口をして曰わしめて曰く、“It is not mere life, but a good life that we court”と。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それが茫々たる なん千年の疇昔のこと
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
これが徃時の、妻か、夫か、心根可愛や、懐かしやと、我を忘れて近寄る時、忽然ふつと灯は滅して一念未生の元の闇に還れば、西行坐を正うして、能くこそ思ひ切り玉ひたれ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
されば徃時は朕とても人をば責めず身を責めて、仏に誓ひ世に誓ひ、おのれが業をあさましく拙かりしと悔い歎きて、心の水の浅ければ胸の蓮葉いつしかと開けんことは難けれど
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
いつの原始から湛え始め、いつの未来まで湛え続くとも判らぬ海。しも知らぬ海。あらゆるものを育みそだて、あらゆるものを生きて働かせ、あらゆるものを葬り呑んで行く海。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
当時盲縞の腹掛けは今日黒の三つ紋の羽織となりぬ。金沢裁判所新任検事代理村越欣弥氏は、実に三年前の馭者台上の金公なり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幻花子新聞しいので、滅多ず。自分一人時々めのつては、往事追懷すると、其時情景眼前彷彿としてえるのである。
その往日そこの斷崖ぢて此方のの岸を見かへしたことがある、私の十六の春を回想した。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
六年の田舎住居、多少は百姓の真似もして見て、土に対する農の心理の幾分をしはじめて見ると、余はでも曩昔めずには居られぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
要するに曩時の純農村は追々都会附属の菜園になりつゝある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
気の小さい維新前の者は得て巡的をこわがるやつよ。なんだ、高がこれ股引きがねえからとって、ぎょうさんに咎め立てをするにゃあ当たらねえ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
維昔天孫豊葦原を鎮め給いしより、文化東漸し、今や北海辺隅に至る迄億兆しく至仁皇沢に浴せざるものなし。我が一家亦世々其恵を受け、祖先の勤功と父母の労苦とに由り今日あるを致せり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
からずをいはば三千末流なりといふ、さらば旗下娘御にや、親御などもおはさぬか、一人みとははしきことなりと、くも不憫になりぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)