“情景”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
シーン85.3%
じょうけい5.9%
ありさま2.9%
じやうけい2.9%
シイン2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の後ろから、金井半四郎の憎悪に充ちた眼が、この不思議な情景シーンを見詰めて居るからですが、そんな事はもう問題ではありません。
さて画面に、それから如何なる情景じょうけいが展開していったか、その内容についてはここにしるすことが許されぬ。しかしそれは密閉されたる室のうちで演じられている怪しげなるたわむれだった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その時のお姉様の御主人となっておられた貴方の御先祖……すなわち、この令嬢の一千年前の義理の兄さんであった貴方と、同棲しておられる情景ありさまを、現在夢に見ておられるのです
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
幻花子げんくわし新聞しんぶんはういそがしいので、滅多めつたず。自分じぶん一人ひとり時々とき/″\はじめのところつては、往事むかし追懷つひくわいすると、其時そのとき情景じやうけい眼前がんぜん彷彿ほうふつとしてえるのである。
彼は自分の心をみなから離れた遠い所に置いて、其処から今一度病める叔父とたえ子と彼自身と三人鼎坐している情景シインをふり返ってみた。すると自分一人が其処から遠く遠く離れて行くような気がした。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)