“シーン”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:しーん
語句割合
情景54.7%
光景17.0%
場面17.0%
舞台5.7%
一段1.9%
1.9%
画面1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
面白い。が然し、動きがないね。一つの情景シーンだけで……勿論その情景は、窓に坐って女学生の讃美歌の合唱をききながら田舎の女を
(新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
が、愚なる子は、父の臨終の苦しみをよそに、以前のまゝに、ケロリとして立つたまゝ、此場の異常な光景シーンを、ボンヤリと凝視してゐる丈であつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
満面に憎悪の色をみなぎらしたと云うのは、そのラヴェンナ城の悲劇に、クリヴォフ事件を髣髴ほうふつとさせる場面シーンがあったからだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
瑠璃子はまた父が、興奮の余り心悸が昂進して、物も云へなくなつてゐるのではないかと思ふと、急に不安になつて来て、争ひの舞台シーンたる兄の書斎の方へ、足音を忍ばせながらそつと近づいて行つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
劇の一段シーンがたった五六行で、始まるかと思うとすぐしまわねばならぬと思うのに、作者は大胆にも平気でいくらでも、こんな連鎖を設けている。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其は知らねど、政治小説でも書く人ならば、見のがすまじきシーンなるべしと思ひたりき。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
戦争映画の感動的な画面シーンのように美しいが、実際は、しどろもどろな、眼もあてられないような悲惨な光景になるのだろう。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)