舞台シーン)” の例文
旧字:舞臺
いろいろな顔や、いろいろな舞台シーンが早く眼の前を過ぎた。父の若かつた時のことから、自分のの死ぬ時までのことが直線を為して見えるやうに思はれる。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
瑠璃子はまた父が、興奮の余り心悸が昂進して、物も云へなくなつてゐるのではないかと思ふと、急に不安になつて来て、争ひの舞台シーンたる兄の書斎の方へ、足音を忍ばせながらそつと近づいて行つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
瑠璃子はまた父が、興奮の余り心悸しんき昂進こうしんして、物も云えなくなっているのではないかと思うと、急に不安になって来て、争いの舞台シーンたる兄の書斎の方へ、足音を忍ばせながらそっと近づいて行った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)