“髣髴”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ほうふつ82.6%
はうふつ13.0%
さもに1.9%
ほのか1.2%
そつくり0.6%
ほのめ0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“髣髴”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.4%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行1.6%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
惲南田はこう言いながら、かつて見た沙磧図させきず富春巻ふうしゅんかんが、髣髴ほうふつと眼底に浮ぶような気がした。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さっき二羽の黒い蝶が消えた、例の電柱の根元の所に、大きな人間の眼が一つ、髣髴ほうふつとして浮び出したじゃありませんか。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
夜更けて温泉に浴し、静かに眠らうとしたが、心が落付いて来ると赤彦君の顔容が眼前に髣髴はうふつとしてあらはれて来た。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
俳優にはウイリヤム・セキスピヤと云へる人あり! 三十何年かまへの日本は、髣髴はうふつとこの一語にうかがふ事が出来る。
本の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
よるべなきみなしごなりし生立おひたちより、羅馬にてアヌンチヤタと相識り、友なりけるベルナルドオを傷けて、拿破里に逃れ去りし慘劇まで、涙と共に語り出でしに、可憐なるマリアのたなそこを組合せて、我面を仰ぎ見るさま、我記憶の中に殘れるフラミニアが姿に髣髴さもにたり。
しゃつ伏勢ござんなれ」ト、身構へしつつきっと見れば、いとおおいなる黒猿の、おもて蘇枋すおう髣髴さもにたるが、酒に酔ひたる人間ひとの如く、倰倰よろめきよろめき彼方かなたに行きて、太き松の幹にすがりつ、よじ登らんとあせれども、怎麼いかにしけん登り得ず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かれ神倭伊波禮毘古の命、其地そこより𢌞り幸でまして、熊野くまのの村に到りましし時に、大きなる熊髣髴ほのかに出で入りてすなはち失せぬ。
我里は木曾の谷の、名に負ふ神坂みさかの村の、さかしき里にはあれど、見霽みはらしのよろしき里、美濃の山近江おうみの山、はろばろに見えくる里、恵那えなの山近くそびえて、胆吹山いぶきやま髣髴ほのかにも見ゆ。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ときに、そばつた家内かない姿すがたが、それ髣髴そつくりだ、とおもふと、想像さうざうとほむかしかへつて、不思議ふしぎなもので、そでならべたおうら姿すがたが、づゝとはなれてはるかなむかふへ……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その眼元めもとには心の底にひそんで居る彼のやさしい、正直な人柄の光さえ髣髴ほのめいて、自分には更にそれいたましげに見えた、其処そこで自分もわらいを含み
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)