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眼元
香織は
私よりは
年齢が二つ三つ
若く、
顔立はあまり
良くもありませぬが、
眼元の
愛くるしい、なかなか
悧溌な
児でございました。
大きな
眼を
揃へて、
襖の
陰から
入つて
來た
宗助の
方を
向いたが、
二人の
眼元にも
口元にも、
今笑つた
許の
影が、まだゆたかに
殘つてゐた。
と彼は微笑して言った、
其眼元には心の底に
潜んで居る彼の
優い、正直な人柄の光さえ
髣髴いて、自分には更に
其が
惨しげに見えた、
其処で自分も
笑を含み