“眼球”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めだま77.3%
めのたま6.8%
がんきう4.5%
がんきゅう4.5%
ひとみ2.3%
2.3%
めんたま2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俺と一所いっしょに静かに、二三度うなずいた船長は伊那少年を顧みて、硝子ガラスのような眼球めだまをギラリと光らした。決然とした低い声で云った。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「寧ろこの使用つかい古るした葡萄ぶどうのような眼球めのたまえぐり出したいのが僕の願です!」と岡本は思わず卓を打った。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
兩手りやうてをわなわなふるはせて、肩でいきを切りながら、眼を、眼球がんきうまぶたの外へ出さうになる程、見開いて、唖のやうに執拗しうねく默つてゐる。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
松脂まつやにのような手や首の皮膚はだの色、磁器のような白い眼球がんきゅう、上端が鼻の先へ喰着くっつきそうにって居る厚い唇、其処そこから洩れて来る不思議な日本語
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
濁って、ポカンと開いた黄色い中に、眼球ひとみが輝きもなく一ぱいに据って動かずにいる。盤台面ばんだいづらで、色が黄ばんだ白さで、鼻が妙に大きい。
彼は顔を動かさずに、眼球だけを廻わして戸口の方を見た。紙幣さつ束が衣嚢かくしから抜けて床へころがっているけれど、それを拾う気にもなれず、むしろそのまま逃げだしたかった。
空家 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
『しかしこの死態ざまをば情婦いろおなごい見せたナラ、大概の奴が愛想あいそ尽かすばい。眼球めんたまをばデングリがやいて、鼻汁はな垂れカブって、涎流よだくっとる面相つらあドウかいナ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)