“眼窩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がんか78.8%
がんくわ5.8%
めのあな3.8%
めくぼ3.8%
めのくぼ3.8%
めあな1.9%
めつぼ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それだのにどうだろう、右の一眼は、めしいたままになっているではないか。眼窩がんか洞然ほこらぜんと開いているが、眼球が失われているのである。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
迫り來るひもじさにグウ/\鳴る腹の蟲を耐へて澁面つくつた若者や、腰掛の上に仰向けになつてゐる眼窩がんくわの落窪んだ骸骨のやうなよぼ/\の老人や
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
そして、彼等がだんだん近づいて来るのを見ると、彼等のうちの二人は、そのひたいのまん中に、からっぽの眼窩めのあなだけがあいているのでした。
だが時々眼窩めくぼの奥に、刃物のように光っている眼を、野の一方に押し据えて、じっと何かを見るようにした。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
アイヌは蘩蔞はこべで頭を、土で身体を、柳で背骨を創られた。とまたいわれている。アイヌの眼窩めのくぼは深い。頭髪が深い。神々の髪の毛の人として彼らはその美髪をほこっている。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
眼窩めあなたまなき指輪に似たりき、OMOオモを人の顏に讀む者Mエムメをさだかに認めしなるべし 三一—三三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
蟇の如く胡坐をかいた男は、紙莨たばこの煙をゆるやかに吹いて、静かに海を眺めて居る。くぼんだ眼窩めつぼの底に陰翳くもりのない眼が光ツて、見るからに男らしい顔立かほだての、年齢としは二十六七でがなあらう。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)