“眼前”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
めさき26.0%
めのまえ25.2%
がんぜん22.9%
まのあたり9.9%
めのまへ9.9%
まえ1.5%
まなさき1.5%
まさか0.8%
めつき0.8%
めのさき0.8%
(他:1)0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“眼前”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩35.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
彼はこの瞬間、八つになる女の子と五つになる男の子がじぶんを待って母親と噂をしているさま眼前めさきに浮べた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
母はつと立ち上がって、仏壇より一つの位牌いはいを取りおろし、座に帰って、武男の眼前めさきに押しすえつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
岸本の眼前めのまえには、石灰と粘土とで明るく深味のある淡黄色に塗り変えた、堅牢けんろうで簡素な感じのする壁があった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私は洋燈ランプの下で雑巾ぞうきんを刺し初めると、柏木のことが眼前めのまえに浮いて来て、毎晩癖のようになりました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この好題目が眼前がんぜんにありながら、余はらざる詮義立せんぎだてをして、余計なぐりを投げ込んでいる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伊藤公の狙撃されたと云ふ場処ばしよに立つて、その眼前がんぜんに見た話を軍司ぐんじ氏の語るのを聞いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これは小生わたくしの父が、眼前まのあたりに見届けたとは申しかねるが、直接にその本人から聞取った一種の怪談で今はむかし文久の頃の事。
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
うっとりするまで、眼前まのあたり真黄色な中に、機織はたおりの姿の美しく宿った時、若い婦人おんなと投げたおさの尖から、ひらりと燃えて
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眼前めのまへひろがる郊外の景色を眺めると、種々さま/″\追憶おもひでは丑松の胸の中を往つたり来たりする。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
同僚の細君のうはさ、それを丑松も聞かないでは無かつたが、然し眼前めのまへに働いて居る女が其人とはすこしも知らなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「おいせよ、女の眼前まえで、そんなの脱がすのは止せよ」
(新字新仮名) / 徳永直(著)
捜索願いぐらい出たかも知れないが、二人はズッと東京駅で降りて、ちょうど夜のことで、眼前まえにドッカリ超弩級ちょうどきゅうに灯が入ったようにうずくまっているのが丸ビル……これといって手に職があるわけではなし、それに、たださえこの不況時代ふきょうじだいだから、長庵とお六、たちまち困って終う。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
夕かげを月は光らず眼前まなさきや電線の張りをはなれつつあり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
夕かげを月は光らず眼前まなさきや電線の張りをはなれつつあり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
歌は身のなぐさみにすな何事も事の眼前まさかの真ごころを詠め
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
時には出來あがツた繪を幻のやうに眼前めつきうかべて見て、ひとりでにツこりすることもあツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
眼前めのさきにまざまざと今日の事が浮んで来る、見下した旦那の顔が判然はっきり出て来る、そしてテレ隠しに炭を手玉に取った時のことを思うと顔から火が出るように感じた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
眼前マノアタリ 今も神代ぞ。神なくば、艸木も生ひじ。人もうまれじ﹅
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)