“まさか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真逆70.2%
豈夫8.7%
正可4.8%
眞逆3.8%
有繋1.0%
万一1.0%
國難1.0%
有撃1.0%
正歟1.0%
正香1.0%
眞盛1.0%
真盛1.0%
眼前1.0%
萬一1.0%
1.0%
豈且1.0%
豈天1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんまり万力を可愛がっているので、今に万力を養子にするのじゃあねえかと、近所じゃあ云っていますが、真逆まさかにそうもなりますめえ。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
且つ俺のやうな四つ足の分際ではちつと生意気な言分だが、伊太利も豈夫まさかにウヰダやロンブロゾが舌を吐いて論ずるほど疲弊してもおるまいが
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
愛山君とて正可まさかかゝる御考にはあらざるべし、余とて正可に山陽が一代の文豪なりしを知らざる訳にもあらざるなり。
賤事業弁 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
あいちやんはなにからなにまで可笑をかしくてたまりませんでした、がみんそろひもそろつて眞面目まじめくさつてるので、眞逆まさか自分じぶんひとわらわけにもきませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「おつうもかくなつたな、途中とちうでなんぞ行逢いきやつちやわかんねえな、そんだがりや有繋まさかれこたわすれなかつたつけな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まあ年齡としとつたら仕方しかたがないから我慢がまんしてるんだよ、あんまひどけりや他人ひと共々とも/″\ちやないから、それだが勘次かんじ有繋まさかそれほどでもないんだらうしね
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
けれどもかたの事だから川よりは平穏だから、万一まさかの事もあるまい、と好事ものずき連中れんじゅうは乗ッていたが、げた者も四五人はッたよ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はらされよと云つゝかね省愼たしなおきたる具足櫃ぐそくびつならびに差替さしかへの大小までも取出し此通り國難まさかの時の用意も致し居る拙者なり他人の物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さうぢやねえよ、有撃まさかおめえ、他人ひとのことおれだつて」分疏いひわけした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
貴下あなた御存ごぞんじのとうり、この朝日島あさひじまは、このいへ附近ふきんのぞいては、いたところみな危險きけん塲所ばしよで、深山しんざんへ十以上いじやうすゝんでくと、天狗てんぐるか魔性ませうるかわからない、イヤ、正歟まさか其樣そんものまいが、毒蛇どくじや
半蔵は土間にある草履ぞうりを突ッかけながら、勝手口から裏の方へ通う木戸をあけた。その戸の外に正香まさかを隠した。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
みのつた四邊あたり一面の稻田いなだが菜の花の畑であつたならば、さうして、この路傍みちばたの柳にまじつて櫻の花が眞盛まさかりであつたならばと、小池は芝居のりのあざやかな景色を考へ出してゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
よそでは盛りの少し過ぎた桜もここばかりは真盛まさかりの美しさがあった。廊を廻ったふじも船が近づくにしたがって鮮明な紫になっていく。池に影を映した山吹やまぶきもまた盛りに咲き乱れているのである。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
歌は身のなぐさみにすな何事も事の眼前まさかの真ごころを詠め
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
萬一まさかとき心配しんぺえだからねえ、あともの厄介やくけえりてえつちなみんなおんなじだんべぢやねえか、ねえこつちのおとつゝあんさうでがせう
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
女と云ふ者は一体男よりは情がこまやかであるべきなのだ。それが濃でないと為れば、愛してをらんと考へるより外は無い。まさかにあの人が愛してをらんとは考へられん。又万々ばんばんそんな事は無い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何有なあに! 知らん顔をしてゐればそれで済む。豈且まさか智恵子が言ひは為まい。」と彼は少し落着いて来た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
豈天まさか、お前………」とおふくろは何處までも氣の好い挨拶あいさつだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)