“まさか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真逆72.0%
豈夫9.7%
正可3.2%
眞逆2.2%
万一1.1%
有撃1.1%
有繋1.1%
正歟1.1%
正香1.1%
眞盛1.1%
(他:6)6.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「しかしそりゃ本当の事なの、あなた。あなただって真逆まさかそんな男らしくない事を考えていらっしゃるんじゃないでしょう」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
是は職務上の秘密ですけれど真逆まさかに貴方が秀子に知らせて逃亡させる様な事は有るまいと信ずるからお打ち明け申すのです。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
豈夫まさか? 神山さんの口にや戸がてられない。』と言つて、何を思つてか膝を搖つて大きく笑つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
且つ俺のやうな四つ足の分際ではちつと生意気な言分だが、伊太利も豈夫まさかにウヰダやロンブロゾが舌を吐いて論ずるほど疲弊してもおるまいが
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
正可まさか! 這麽こんな小いの着られやしないわ。』と、笑ひ乍ら縫掛のそれをつまんで見せる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
医者の不養生という。平生思想を性命として、思想に役せられている人に限って、思想が薄弱で正可まさかの時の用に立たない。私の思想が矢張やっぱり其だった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
大阪の知り合ひへは眞逆まさかそんな新造のやうな用事を頼まれもせねば、殊にまたそれは自分の親しい知り合ひで、小池は逢つたことがない。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「知らない者が逃出すかい、太い野郎だ、——着物の血を洗つたと聞いた時から變だとは思つたが眞逆まさか逃出すとは思はなかつた。飛んでもねえ奴だ」
けれどもかたの事だから川よりは平穏だから、万一まさかの事もあるまい、と好事ものずき連中れんじゅうは乗ッていたが、げた者も四五人はッたよ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さうぢやねえよ、有撃まさかおめえ、他人ひとのことおれだつて」分疏いひわけした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ありやあそれ、勘次かんじたあちがあから、なんちつても有繋まさかあかばうときつからのがだから」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
盲目めくら有繋まさかふくろだから畸形かたわつちや他人ひととこなんぞよりやえゝとおもつたんでがせうね
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
天狗てんぐるか魔性ませうるかわからない、イヤ、正歟まさか其樣そんものまいが
半蔵は土間にある草履ぞうりを突ッかけながら、勝手口から裏の方へ通う木戸をあけた。その戸の外に正香まさかを隠した。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
みのつた四邊あたり一面の稻田いなだが菜の花の畑であつたならば、さうして、この路傍みちばたの柳にまじつて櫻の花が眞盛まさかりであつたならばと、小池は芝居のりのあざやかな景色を考へ出してゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
よそでは盛りの少し過ぎた桜もここばかりは真盛まさかりの美しさがあった。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
歌は身のなぐさみにすな何事も事の眼前まさかの真ごころを詠め
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
萬一まさかとき心配しんぺえだからねえ、あともの厄介やくけえりてえつちなみんなおんなじだんべぢやねえか、ねえこつちのおとつゝあんさうでがせう
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まさかにあの人が愛してをらんとは考へられん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何有なあに! 知らん顔をしてゐればそれで済む。豈且まさか智恵子が言ひは為まい。」と彼は少し落着いて来た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
豈天まさか、お前………」とおふくろは何處までも氣の好い挨拶あいさつだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)