“豈夫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まさか52.9%
よも23.5%
よもや5.9%
あにそ5.9%
あにそれ5.9%
まさ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『智恵子さんとこ被行いらしつたのか知ら!』といふ疑ひを起した。『だつて、夜だもの。』『然し。』『豈夫まさか。』といふ考へが霎時しばし胸に乱れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
この贅沢の資本がもしスパイの報酬として請取うけとった金なら公々然と同志の前で札びらを切る事は豈夫よも出来なかったろう。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
打明うちあけて頼みなば假令たとへ日常ふだんかくきるに切れぬ親子の中豈夫よもや餘事よそごととは見過ごすまじ是も母への孝行なれば出來ぬ迄も一おう相談致すべしと心を決し母の機嫌を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むもの、野にむもの、しぎは四十八ひんと称しそろとかや、僕のも豈夫あにそ調てうあり、御坐ございます調てうあり、愚痴ぐちありのろけあり花ならば色々いろ/\あくたならば様々さま/″\
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
しかれども甚六なるもの、豈夫あにそれ白銅一片に辟易して可ならんや。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
豈夫まさかに嫌いな文学を強いられるばかりで病気になったとも思わなかったが、何となく境遇を気の毒に思って傷心に堪えなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)