“切”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
34.7%
せつ15.9%
しき9.8%
きれ9.5%
きり8.2%
4.0%
さい2.9%
2.9%
きっ2.1%
ぎり1.8%
せち1.6%
しきり1.2%
せめ0.9%
きつ0.9%
きら0.6%
せま0.6%
くいしば0.4%
セツ0.4%
しば0.3%
くひしば0.2%
ぎれ0.2%
0.2%
きる0.1%
0.1%
せつな0.1%
0.1%
0.1%
キリ0.1%
セチ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
あまりに事もなげな倉地の様子を見ていると葉子は自分の心のせつなさに比べて、男の心を恨めしいものに思わずにいられなくなった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
小堀平治も、娘のあまりの美しさに、少し心配になったのでしょう、しきりに英山公を促し立てて、一刻も早くらちを明けようとします。
友染いうぜんきれに、白羽二重しろはぶたへうらをかさねて、むらさきひもくちかゞつた、衣絵きぬゑさんが手縫てぬい服紗袋ふくさぶくろつゝんで、そのおくつた、しろかゞや小鍋こなべである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「……そうしてきりの舞台に閻魔えんまさまでもおどらして地獄もこの頃はひまだという有様でも見せるかな……なるほど、これは面白そうだ」
御身おんみとて何時いつまでか父母の家にとどまり得べき、幸いの縁談まことに良縁と覚ゆるに、早く思い定めよかしと、いとめたる御言葉おんことばなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
さうして東隣ひがしどなりからりてござが五六まいかれた。それから土地とち習慣しふくわん勘次かんじきよめてやつたおしな死體したいは一さい近所きんじよまかせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
というのは、ハイドラと来ちゃ、一つ頭をちょんったと思うと、すぐそのあとから二つの頭が生えて来るというわけですからね。
四角にきった豆腐の真中まんなかさじの先でくり抜いてその中へ玉子の黄身のザット湯煮ゆでたのを落してそれをそうっと沸湯にえゆで湯煮て別にくずの餡を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
女の写真屋の話はそれぎりで、その後コッチから水を向けても「アレは空談サ」とばかり一笑に附してしまったから今もって不可解である。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
我また汝のせちに求むるものを指して請ふ、若しトスカーナの地を踏むことあらば、わが宗族うからの中に汝再びわが名を立てよ 一四八—一五〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
で何事に依らず氣疎けうとくなツて、頭髪かみも埃にまみれたまゝにそゝけ立ツて、一段とやつれひどく見える。そしてしきりと故郷を戀しがツてゐる。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
見るに忍びずせめてもの事に斯樣なる時節にこそ御恩ごおんはうぜんと存じて持參致したれ因て此金子何卒なにとぞ御受取下さるべしと二十兩の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つみおとし入んと計りくらき夜に昌次郎と兩人ふたりにて男女をころし悴娘の着類をきせ兩人の首をきつて川へ流せしおもむき最早兩人より白状はくじやうに及びしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斯う云うむずヶしい事件を引受けねば昇等しょうとうは出来ないぜ(大鞆)りゃわかッて居る盤根錯節ばんこんさくせつきらんければ以て利器を知る無しだからむずかしいはちっともいとヤせんサ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「あい。」と声の下で返事して、階子はしごを下りるのがトントンと引摺るばかり。日本の真中まんなかに、一人、この女が、と葛木は胸がせまったのであったが。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これきたりてもって建文の位をゆずれるに涙をおとし、燕棣えんていの国を奪えるに歯をくいしばり、慷慨こうがい悲憤して以て回天の業をさんとするの女英雄じょえいゆうとなす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
皆手に手に、張り切つて發育した、蓮の莖を抱へて、廬の前に竝んだのには、常々くすりとも笑はぬ乳母オモたちさへ、腹の皮をよつてセツながつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
八蔵は泰助にうらみあれば、その頭蓋骨は砕かれけん髪の毛に黒血かたまりつきて、頬より胸に鮮血なまちほとばしり眼を塞ぎ歯をしばり、二目とは見られぬ様にて、死しおれるにもかかわらず。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アンドレイ、エヒミチはうんざりして、長椅子ながいすうへよこになり、倚掛よりかゝりはうついかほけたまゝくひしばつて、とも喋喋べら/\しやべるのを詮方せんかたなくいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ものは称呼となえも大事である。辻町糸七が、その時もし、真珠、と云って策を立てたら、弦光も即諾して、こまぎれ同然な竹の皮包は持たなかったに違いない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「傷が真上に載ってるのも、倒れてる所をりゃあこそああだ。」
打明うちあけて頼みなば假令たとへ日常ふだんかくきるに切れぬ親子の中豈夫よもや餘事よそごととは見過ごすまじ是も母への孝行なれば出來ぬ迄も一おう相談致すべしと心を決し母の機嫌を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いや、御母さんにはかへつて御迷惑です。道が良くないから御母さんにはとても可けますまい。実際貴方にはつてお勧め申されない。御迷惑は知れてゐる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
はなくちせつなさにへられず、をもがいてくうはらひながら呼吸いきえ/″\におこした、あしつと、おもはずよろめいてむかうのふすまへぶつかつたのである。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
西洋料理にしますと一つはシチューで先ず頭をって皮をいて長さ一寸五分位にブツブツ切ってバターでジリジリといためて一旦いったん鰻をあげ
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
キミ」「ユキ」「御酒ミキ」「ツキ」「オキ」「る」「カキ」「サキ」「オキナ」「昨日キノフ」「キヨ」「常盤トキハ」「アキラメ」「サキハヒ」「杜若カキツハタ」「行き」「き」「分き」「吹き」「
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
其久松に最適切な芸境が認められて、真砂座とかけ持ちで、右の中幕とキリの浄瑠璃に出ることになつたものと見られる。が、其を機会として、呼び返してくれた伯父の志であらう。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ワタなかの島に とよもし来たるアタ つくして来よと セチにし思ふ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)