“せめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セメ
語句割合
59.4%
18.8%
5.8%
2.2%
2.2%
苛責2.2%
1.4%
1.4%
0.7%
迫害0.7%
0.7%
0.7%
自責0.7%
0.7%
責任0.7%
非難0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あゝ汝聖なる流れのかなたに立つ者よ、いへ、この事まことなりや否や、いへ、かくきびしきわがせめに汝の懺悔のともなはでやは 一—三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されば他国かのくにひじりの教も、ここの国土くにつちにふさはしからぬことすくなからず。かつ八三にもいはざるや。八四兄弟うちせめぐともよそあなどりふせげよと。
馴々なれなれしくことばをかけるぐらいせめてもの心遣こころやりに、二月ふたつき三月みつきすごうちに、飛騨の涼しい秋は早くも別れを告げて、寒い冬の山風が吹いて来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
饑渇きかつせめや、貪婪たんらん羽蟲はむしむれもなにかあらむ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
なにもかにもあったもんじゃねえ。かにならよこにはうのが近道ちかみちだろうに、人間にんげんはそうはいかねえ。ひろいようでも世間せけんせめえものだ。どうかすぐいてあるいておくんなせえ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
浮川竹や地獄の苛責せめにも勝る毎夜毎夜の憂き苦労……世の中に、これほど親孝行の娘御が又と二人あろうかと思い込みました私が、何も言わずに貴方様の親御様へ、上々吉の花嫁御と
冬次郎様とせめぎ合い、幾変転幾安危、その間死者あり生者あり、失脚せし人、乗り出す人あり、浮世のさがをきわめましたが、ふたたびそなたを駕籠にのせ、冬次郎様お屋敷へ差し立てまして
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
多少こんな意味のせめを受けずにはいられぬはずではあるまいか。
訳本ファウストについて (新字新仮名) / 森鴎外(著)
小西屋へ一度掛合吾儕わしら身體からだの明りの立やうに何卒どうぞなされて下されませとことわせめたるお光の述懷じゆつくわい無實むじつおちいり樂みし赤繩せきじようこゝに絶しと知ぬは憐れといふもおろかなりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せめ自然しぜんと知せる天下の大法たいはふはやき身とまで覺悟かくごせしおみつ親子は不測ふしぎに助り然のみならずこひしと言をとこもとえんづくやう再度ふたゝびむす赤繩せきじよう有難泪ありがたなみだ白洲しらすなるすなしめらす其よろこびお勝ははじめて庄兵衞のわるきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ただに普通一般の義のために責めらるるに止まらず、更に進んで天国と其義のために責めらる、即ちキリストの福音のために此世と教会とに迫害せめらる、栄光此上なしである
「我がために人汝等を詬誶ののしり又迫害せめ偽わりて様々の悪言あしきことを言わん其時汝等は福なり、喜べ、躍り喜べ、天に於て汝等の報賞むくい多ければ也、そは汝等よりさきの予言者をも斯く迫害せめたれば也」
山やたにせめぎ合い心を休める余裕や安らかな望みのない私の村の風景がいつか私の身についてしまっていることを私は知った。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
本當ほんたう枕元まくらもとなのせえ、みんなしてこゞつてせめえつたつて窮屈きうくつだつてやつとだけなんだから、天井てんじやうへはあたまつゝかりさう生命いのちでもなんでもちゞめらつるやうなおもひでさ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勢いを得たほのおとともに、自責せめ羞恥はじらい紅潮べにとなってかれの頬をいろどる。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
我子の乱行らんぎょうのためにせめを受けた抽斎が、その乱行を助長した良三の身の上を引き受けて、家におらせたのは、余りに寛大に過ぎるようであるが、これは才を愛する情が深いからの事であったらしい。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
蔵の中に隠れ住むことにさえ責任せめを感じ、家の名誉と、愛する妻の幸福のために、今度こそ本当に、帰らぬ旅へ出て行こうと決心し、愛し愛し愛し抜いている妻の、俤を備えている代首
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
眉をぴり/\引吊り唇を顫はして「こんな辛いこつたらない、いつそ死んでしまふ!」とか「そんなにお非難せめになるんなら、たつた今わたしあなたから去つて行きます!」
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
祖孫相せめぐ樣な、家庭の悲劇の主なる原因となると注意して居る。