“せば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
65.3%
洗馬11.9%
7.9%
4.0%
3.0%
2.0%
勢波2.0%
洗場1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども封建時代にのみ通用すべき教育の範囲をせばめる事なしに、現代の生活慾を時々刻々にたして行ける訳がないと代助は考へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この六月には洗馬せばから出発して、戸隠とがくしに参詣して七月末に北信に向かったことが、「来目路くめじの橋」というのに詳しく記してある。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
主人しゆじん蒙古人もうこじん上手じやうずうまあつかことや、蒙古犬もうこいぬせて細長ほそながくて、西洋せいやうのグレー、ハウンドにてゐることや、彼等かれら支那人しなじんのために段々だん/\せばめられてこと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よる對岸たいがん松林まつばやし陰翳かげみづげて、川幅かわはゞわづか半分はんぶんせばめられてえる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
咽をカラアにしめられてしきりに堅睡かたづをのむ猪首ゐくびのすわり可笑しく、胸をシヤツ胴衣チヨツキせばめられてコルセツトを着けたるやうに呼吸苦しく、全体さながら糊されし様に鯱張しやちばりかへつて
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
己の周囲をせばめているのも、これも塵ではないか。
此外▲有明ありあけうら岩手いはでうら勢波せばわたし井栗ゐくりもりこしの松原いづれも古哥あれども、他国たこくにもおなじ名所あればたしかに越後ともさだめがたし。
一人で塩尻から洗場せばまで行って、立場立場の仲間に、尋ねあるいてみると、お女中衆の消息はさっぱり知れないが、奈良井の大蔵さんなら、ついきょうのひる頃、諏訪すわを通って
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人にも志誠まごころありながら、一一七世にせばめられてくるしむ人は、一一八天蒼氏てんさうしたまものすくなくうまれ出でたるなれば、精神を労しても、一一九いのちのうちに富貴を得る事なし。
「婆鬼は盗業をいましめて両手の指を折り、翁鬼は無義をにくんで頭足ずそくを一所にせばむ」
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かれはよしなき仏門に入ったことを悔まなかったであろうか。しかも世をせばめられた謀叛むほん人の娘は、これよりほかに行くべき道は無かったのである。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)