“すく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スク
語句割合
竦29.0%
掬21.4%
少9.2%
縮9.0%
救7.7%
尠6.6%
寡2.0%
窘1.5%
拯1.5%
済1.5%
恟1.4%
抄1.3%
些1.0%
悚1.0%
辣0.7%
巣喰0.6%
援0.6%
鮮0.5%
巣0.4%
撈0.4%
萎0.3%
掏0.3%
疎0.3%
蹙0.3%
悸0.2%
匕0.1%
好0.1%
屈0.1%
巣食0.1%
慄0.1%
扶0.1%
攩0.1%
杓0.1%
潜0.1%
矗々0.1%
窄0.1%
窘蹙0.1%
萎縮0.1%
賑0.1%
躄0.1%
透0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最初の二人は腫れ物にでも触るように、恟々(きょうきょう)として立ち向った。が、主君の激しい槍先にたちまちに突き竦(すく)められて平伏してしまう。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
侯爵はそこで体を屈(かが)めた。指で雪を掬(すく)ひ上げてぢつと見詰めた。それから手首を外側へしなはせると雪片は払ふまでもなく落ちた。
雪 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
かのユスティニアーノ汝のために銜(くつわ)を調(とゝの)へしかど、鞍空しくば何の益あらむ、この銜なかりせば恥は却つて少(すく)なかるべし 八八—九〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「懐中(ふところ)も冷めてえが、浮世も冷めてえ」首を縮(すく)めてヒョロヒョロと歩くと、また懲りずまに門に立ち、河東節の三味線を弾き出した。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
でもこれがもしほんとうだったとすれば、花(はな)のき村(むら)の人々(ひとびと)がみな心(こころ)の善(よ)い人々(ひとびと)だったので、地蔵(じぞう)さんが盗人(ぬすびと)から救(すく)ってくれたのです。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
贅沢三昧(ぜいたくざんまい)に日を送りたいという考えで、人の妻になるものも尠(すく)なくないとの事であるが、誠に不心得極まる現象と言わねばならぬ。
夫婦共稼ぎと女子の学問 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
蝮蛇の中(うち)にも毒質の多(お)おいのと寡(すく)ないのがありましてアルコールや焼酎へ漬けた時肉の縮まるのは良いし肉の弛(ゆる)むのは悪いと申します。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
絞(しぼ)るやうな冷汗(ひやあせ)になる気味(きみ)の悪(わる)さ、足(あし)が窘(すく)んだといふて立(た)つて居(ゐ)られる数(すう)ではないから、びく/\しながら路(みち)を急(いそ)ぐと又(また)しても居(ゐ)たよ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
私も出来る事なら、人間両個(ふたり)の命を拯(すく)ふのですから、どうにでもお助け申して、一生の手柄に為て見たい。私はこれ程までに申すのです
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
禅家で点心(てんじん)というが、一片の食を投じて、霊肉の腐乱(ふらん)を済(すく)うという意味通りの役を、この一口の湯が、兵馬のすべてに向って与えたようです。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
楠平は、手燭を灯(つ)けた。そして揺れる灯を庇(かば)いながら、庭へ出て行ったが、主人たちの住む南側の母屋を見て、眼を恟(すく)めた。
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いうより早く、ひとりの仲間が、彼の足を抄(すく)いあげた。鐙(あぶみ)に足の届いていない伊織の体は、苦もなく、馬の向う側へ転げ落ちた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは至極宜(い)い案であるから、人名が多いか、些(すく)ないか、精細に調べさせて見ようと相談はたちまち一決して早速人名録作成の人に補助することにして
ぞっと身体が悚(すく)んだ。寂しい通りに、軒灯の光りが淡く流れていた。青葉をつけた木の枝が一本落ちてる中に片足を踏み込んでるのだった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
とにも角にもこうして二、三分間睨(にら)み合ったまま立ち辣(すく)んでいるうちに、私はとうとう堪えられなくなって次の言葉を発した。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
人差指は、材木に巣喰(すく)って肥え太った鉄砲虫のように見える。そのとき彼の前では、自分の五本の指が全然別な生きものとして蠢(うご)めきあっている。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
後(のち)金兵来寇するに及び、所部四百騎もて十余戦せるも、大将王権はまず遁(のが)れ、武将戴皐(たいこう)は来り援(すく)わず、興ついに馬とともに討死(うちじに)せるを朝廷憫んで廟を建てた。
車夫や物売りの相貌(かほつき)も非常に柔和であつて、東京中を横行する彼の恐しい工夫や職工や土方のやうなものは至つて鮮(すく)ない。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あの、時代(じだい)のついた大建(おほだて)ものの隨處(ずゐしよ)に巣(すく)つたのが、火(ひ)のために散(ち)つたか、或(あるひ)は火(ひ)を避(さ)けて界隈(かいわい)へ逃(に)げたのであらう。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
その時予の後(しりえ)にあって攩網(たま)を何時(いつ)か手にしていた少年は機敏に突(つ)とその魚を撈(すく)った。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と酒井は笑みを含んだが、この際、天窓(あたま)から塩で食うと、大口を開けられたように感じたそうで、襖の蔭で慄然(ぞっ)と萎(すく)んで壁の暗さに消えて行く。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その上にはピカピカ光る形ちが指で魚の燐光の中に掏(すく)い上げたように描かれてあった。
かねて恩威並び行わるる師の君の、その恩に預かれそうではなく、罰利生(ばちりしょう)ある親分の、その罰の方が行われそうな形勢は、言わずともの事であったから、電車でも片隅へ蹙(すく)んで
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と一同で疑わしげな眼を向け直す間に、すばやく、ツツツと小六と源七の間を摺り抜けてきた侍は、右手(めて)の鉄扇を左の手に持ち直し、いきなり身の悸(すく)むような雷鳴一声
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取出し平と汁(しる)の中へ附木(つけぎ)にて匕(すく)ひ込(こみ)何知ぬ體(てい)にて元の處へ來り油掃除(あぶらさうぢ)して居たりけり善助は爭(いか)で斯る事と知るべき水を汲終(くみをは)り神ならぬ身の是非(ぜひ)もなや感應院の前へ彼膳部(かのぜんぶ)を持出し給仕を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
越(こえ)ぬと見え丈(せい)高(たか)く面體(めんてい)柔和(にうわ)にて眉毛(まゆげ)濃(こ)く鼻筋(はなすぢ)通りて齒並(はなら)び揃(そろ)ひ否(いや)みなき天晴の美男にして婦人(ふじん)の好(すく)風俗(ふうぞく)なり衣類は黒七子(くろなゝこ)の小袖に橘(たちばな)の紋所(もんどころ)を付(つけ)同じ羽折(はをり)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お母様(ふくろさん)に願っているのにお前(めえ)さんのような事を云われると、私(わっち)ア了簡が小(ちい)せえから屈(すく)んで仕舞って、ピクーリ/\として何(なんに)も云えないよ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よくするためには蘡薁(えびづる)という蔓草(つるくさ)の茎(くき)の中に巣食(すく)う昆虫(こんちゅう)を捕って来て日に一匹(ぴき)あるいは二匹宛(ずつ)与えるかくのごとき手数を要する鳥を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
二郎は空怖しくなって、林の中に慄(すく)んでいると、その声は漸々と近づく。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、いって、私は、よし、その現場へ飛び込んだにしろ、その急場を扶(すく)うには是非入用な金銭を持っておらぬ。私に金銭などのある時節でありませんから。けれども、そんなことは問題ではない。
かきあみとは攩網(すくひだま)なり、鮏を攩(すく)ひ捕(と)るをいふ。その攩(すく)ひ網(だま)の作りやうは又ある木の枝(えだ)を曲(ま)げあはせて飯櫃(いひびつ)なりに作りこれに網(あみ)の帒(ふくろ)をつけ、長き柄(え)ありてすくふたよりとす。
それを使わないと、他のものでは承知しない。調和しない。茶杓は茶が杓(すく)えたらよいというだけじゃないと分って、そこでなにもかも詮議して来る。
書道と茶道 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
寒さの為に身を潜(すく)め乍ら目を瞑つて居る鶏もあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
水源(みなもと)を岩井沼(いはゐぬま)に発(おこ)すと言(い)ふ、浦川(うらかは)の流(ながれ)の末(すゑ)が、広(ひろ)く成(な)つて海(うみ)へ灌(そゝ)ぐ処(ところ)に近(ちか)かつた。旅館(りよくわん)を出(で)てまだいく程(ほど)もない処(ところ)に——路(みち)の傍(そば)に、切立(きつた)てた、削(けづ)つた、大(おほき)な巌(いはほ)の、矗々(すく)と立(た)つのを視(み)た。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
と指井が又肩を窄(すく)めて眼鏡の下から笑ひながら言つた。色の白い、口髭の生えた、立派な男ではあるけれど、何處か恁う奧のあるやうな、厭なところがある。
媒介者 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
と聞くより、私はハッとした。全身の血の通いが急に一時(じ)に止ったような気がして、襟元から冷りとする、足が窘蹙(すく)む……と、忽ち心臓が破裂せんばかりに鼓動し出す。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼等(かれら)の間(あひだ)には異分子(いぶんし)を交(まじ)へて居(を)らぬ。彼等(かれら)は時(とき)によつては怖(おそ)れて控目(ひかへめ)にしつゝ身體(からだ)が萎縮(すく)んだやうに成(な)つて居(ゐ)る程(ほど)物(もの)に臆(おく)する習慣(しふくわん)がある。然(しか)し恁(か)うして儕輩(さいはい)のみが聚(あつ)まれば殆(ほと)んど別人(べつじん)である。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
〔評〕南洲、顯職(けんしよく)に居り勳功(くんこう)を負(お)ふと雖、身極めて質素(しつそ)なり。朝廷賜(たま)ふ所の賞典(しやうてん)二千石は、悉(こと/″\)く私學校の費(ひ)に充(あ)つ。貧困(ひんこん)なる者あれば、嚢(のう)を傾(かたぶ)けて之を賑(すく)ふ。
只躄(すく)み込んで殆ど身動きも得せずに其の死骸の顔を見るに、何れほどか恨めしく睨んだであろうと思われる其の眼は単に大きな穴を留むるのみで、逞しい頬骨が最と悔しげに隆起して居るのも
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
堪(こらへ)て居る中既(すで)に寅刻(なゝつ)の鐘(かね)も聞え月は梢(こずゑ)の間に顯(あらは)れ木の間/\も現々(あり/\)と茶店(さてん)の中まで見え透(すく)ゆゑ安五郎は不※(ふと)此方(こなた)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)