“蔓草”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つるくさ89.1%
つるぐさ10.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
Kさんのその時分じぶんうたに、わがはしやぎし心は晩秋ばんしう蔓草つるくさごとくから/\と空鳴からなりするといふやうなこゝろがあつたやうにおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
娘の声は涙に咽んで、あやしくかき消されますが、繊手は蔓草つるくさのように父親の身体からだすがり付いて、死ぬまでもと争い続けて居ります。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そのわけは、工作機械がさびたまま転がっていたり、天井からベルトが蔓草つるぐさのようにたれ下っていたりしたからである。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
台所には水棚も水甕みずがめも無く、漬物桶を置いたらしい杉丸太の上をヒョロ長い蔓草つるぐさいまわっていた。空屋特有の湿っぽい、黴臭かびくさい臭いがプンと鼻を衝いた。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)