“つるぐさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
蔓草100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おそらく妹は歌のこころをすぐんでくれるだろう。そして自分のないのちは、兄のあとをとむらうことを口実にして、蔓草つるぐさの垣にも似ている閨門けいもんの花々の群れからのがれてくれるだろう。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
己は静かな所で為事しごとをしようと思って、この海岸のある部落の、小さい下宿に住み込んだ。青々とした蔓草つるぐさの巻き付いている、その家に越して来た当座の、ある日の午前ごぜんであった。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
くさむらからピリピリイと笛が鳴りひゞきました。あちらからもこちらからも黒い頭が、白い穂芒の間に現はれてワアツとときの声をあげました。向ふから蔓草つるぐさをたすきにかけた一隊が出てきました。
文化村を襲つた子ども (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)