“黴臭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かびくさ97.1%
かび2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卒業式の日、私は黴臭かびくさくなった古い冬服を行李こうりの中から出して着た。式場にならぶと、どれもこれもみな暑そうな顔ばかりであった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
毎日、黴臭かびくさい書庫の中にはいったきり、彼は根気よくその仕事をしていた。この仕事は彼の悲しみに気に入っているようだった。
聖家族 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
物置の床をいで、暗い段々を下ると、中は石と材木で疊んだ道で、それを二三間行つたところにかしち果てた扉があつて、押し開けると中は四疊半ほどの黴臭かび臭い穴倉、一方の隅に寄せて
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)