“かびくさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
黴臭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
T君に別れて東照宮前の方へ歩いて来ると異様な黴臭かびくさい匂が鼻を突いた。空を仰ぐと下谷したやの方面からひどい土ほこりが飛んで来るのが見える。
震災日記より (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
大森氏はためつすがめつ髑髏しやれかうべを見てゐた。ちやう梅雨つゆ時分の事で、髑髏しやれかうべからは官吏や会社の重役の古手ふるてから出るやうな黴臭かびくさ香気にほひがぷんとした。
むっとする黴臭かびくさいにおいをぎ、ぼろぼろの表紙や比較的新しい表紙に陽の当っているのを見下しながら慧鶴は本の間をしばらく歩き廻っていた。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)