“かび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カビ
語句割合
93.0%
華美3.5%
仮寐0.6%
0.6%
0.6%
黴臭0.6%
黴菌0.6%
黴類0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのように、最後の幻までも奪い去られたとすれば、いつか彼女にはかびが生え、樹皮で作った青臭い棺の中に入れられることもあろう。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
都会とかいが、いたずらに華美かびであり、浮薄ふはくであることをらぬのでない。自分じぶんは、かつて都会とかいをあこがれはしなかった。けれど、立身りっしん機会きかいは、つかまなければならぬ。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
榛軒は庚寅の年に侯に扈随して福山に往つた時、午後屡轎中に仮寐かびした。そして涎が流れて襟をうるほした。榛軒は自ら白布を截つて涎衣よだれかけを製し、かごのぼる毎にこれを腮下さいかに懸けた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
夜書を読んで褥に臥せず、疲るゝときは頭に羽織を被つて仮寐かびした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
三行書みくだりがきの中奉書はの年の七夕たなばた粘墨ねばずみに固まりてれたる黒毛にかびつきたるは吉書七夕の清書の棒筆、矢筈やはず磨滅まめつされたる墨片は、師匠の褒美ほうびの清輝閣なり、彼はえり
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
閉ざされて、かびゆる手匣てばこにこそはさも似たれ
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
物置の床をいで、暗い段々を下ると、中は石と材木で疊んだ道で、それを二三間行つたところにかしち果てた扉があつて、押し開けると中は四疊半ほどの黴臭かび臭い穴倉、一方の隅に寄せて
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
さればがう屋敷田畝やしきたんぼ市民しみんのために天工てんこう公園こうゑんなれども、隱然いんぜんおう)が支配しはいするところとなりて、なほもち黴菌かびあるごとく、薔薇しやうびとげあるごとく、渠等かれらきよほしいまゝにするあひだ
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
光る菌類には黴類かび、黒穗菌類、木耳類きくらげ、ひらたけ類、菌絲類、惡臭菌類等があつて、世界各國を通じて確かに知れてるのは約二十四五種らしい。
光る生物 (旧字旧仮名) / 神田左京(著)