“粘墨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねんぼく66.7%
ねばずみ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一艘(そう)の小舟を見つけだすとともに、それへ飛び乗って櫓(ろ)をおっとり、粘墨(ねんぼく)のように黒い志賀(しが)ノ浦(うら)の波(なみ)を切って、いずこともなく逃(に)げのびてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お久良が陸(おか)へおりると同時に、船は天神岸を離れて粘墨(ねんぼく)のような黒い川波へゆるぎ出した。二百石船といえば十四反帆(たんぽ)、苫数(とますう)八十四枚、水夫(かこ)十六人、飲み水十五石積だ。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三行書(みくだりが)きの中奉書は卯(う)の年の七夕(たなばた)、粘墨(ねばずみ)に固まりて反(そ)れたる黒毛に殕(かび)つきたるは吉書七夕の清書の棒筆、矢筈(やはず)に磨滅(まめつ)されたる墨片は、師匠の褒美(ほうび)の清輝閣なり、彼は曰(い)えり
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)