“七夕”の読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
たなばた100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
七夕たなばた乞巧奠きこうでんは漢土の伝承をまる写しにしたように思うている人が多い。ところが存外、今なお古代の姿で残っている地方地方が多い。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
盆も七夕たなばたもその通りではあるが、わずかに月送りの折合いによって、なれぬ闇夜に精霊しょうりょうを迎えようとしているのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
七月七日も例年に変わった七夕たなばたで、音楽の遊びも行なわれずに、寂しい退屈さをただお感じになる日になった。星合いの空をながめに出る女房もなかった。
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
済んでみるとあっけない。大老と一同心。もう一生涯に顔を見ることもかなうまい。年に一度会う七夕たなばたさまよりも情けないわけだ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
きょうは主人の言いつけで、湯島の親類へ七夕たなばたに供える西瓜を持ってゆく途中、道をあやまって御徒町の方角へ迷い込んで来たものであるということが判った。
西瓜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なるほど七夕たなばた星を人間と見てそれが恋のためにすそ引つからげて天の川を渡る処など思ひなば可笑おかしき事もありなん。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
それから越後に入って、柏崎の七夕たなばた流しというのが、式は越中と近くてその翌朝の七月朔しちがつさくを以て始まっていた。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私はさう思つて、ひとり静かに初秋の夜を楽んでゐたが、いつとなしに、幼い頃の故郷の七夕たなばたや盂蘭盆の有様が思ひ出された。
月を見ながら (新字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
七夕たなばたまつりはその前日から準備をしておくのが習いであるので、糸いろいろの竹の花とむかしの俳人にまれた笹竹は、きょうから家々の上にたかく立てられて
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
主人は鶴見にこっそりいった。「きょうは一月遅れの七夕たなばたですから、初穂はつほとして早出来の甘藷を掘って見ました。」