“傀儡師”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くぐつし40.0%
かいらいし36.0%
くわいらいし12.0%
くぐつまはし8.0%
くぐつまわし4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ドッと倒れた人間を踏まえ、突っ立ったのはほかでもない、傀儡師くぐつしの言葉に不安を覚え、一夜警護に当っていた、袴広太郎その人であった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人間をあやつる傀儡師かいらいしはなんといういたずらをしようとするのか、この湯川氏が、働きものの二女を芸妓に売ろうと思ったり、また
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
僕は以前藤野古白ふぢのこはくの句に「傀儡師くわいらいし日暮れて帰る羅生門らしやうもん」と云ふのを見、「傀儡師」「羅生門」共に僕の小説集の名だから、暗合あんがふの妙に驚いたことがある。然るに今又この暗合に出合つた。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何処からともなく漂浪さすらうて来た傀儡師くぐつまはしの肩の上に、生白い華魁おゐらんの首が、カツクカツクと眉を振る物凄さも、何時の間にか人々の記憶から掻き消されるやうに消え失せて、寂しい寂しい冬が来る。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
……主君とのの御気象が、大公儀へは余程、大袈裟に聞こえていると見えてのう。この程、大阪乞食の傀儡師くぐつまわしや江戸のヨカヨカ飴屋、越後方言より蚊帳かちょう売りなぞに変化へんげして、大公儀の隠密が入込みおる。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)