“漂浪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さすら36.8%
ひょうろう26.3%
うろつ10.5%
さすらい10.5%
さまよ5.3%
さすらひ5.3%
へうらう5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上、多くの家庭では、思慮分別のある屈強の人たちは、藩主に従うて上京している。紀州路へ落ちたという噂だけで、今はどこを漂浪さすらっているかわからない。
乱世 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
けれども私が家を出て、方々漂浪ひょうろうして帰って来た時には、その喜久井町がだいぶ広がって、いつの間にか根来ねごろの方まで延びていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それからあとわたしうしたからなかつたんですが、其後そののちやうやいてると、おどろきましたね。蒙古もうこ這入はいつて漂浪うろついてゐるんです。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
西の方へ長い漂浪さすらいの旅をした時は、ことにそうであった。家族と一緒に歩いている旅客を、船や汽車で見た時は、一層その念が強かった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そして、それ以来地上から姿を消して、とうてい理法では信ぜられぬ生存を続けているのだが、ときおり海上に姿を現わして、いまなお七つの海を漂浪さまよっているのだ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
漂浪さすらひくら山川やまかはそこはかと。——さあれ、ひそかに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかもかれしまらない人間にんげんとして、かく漂浪へうらう雛形ひながたえんじつゝある自分じぶんこゝろかへりみて、もしこの状態じやうたいながつゞいたらうしたらからうと、ひそかに自分じぶん未來みらいあんわづらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)