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漂浪
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さすら
ふりがな文庫
“
漂浪
(
さすら
)” の例文
その上、多くの家庭では、思慮分別のある屈強の人たちは、藩主に従うて上京している。紀州路へ落ちたという噂だけで、今はどこを
漂浪
(
さすら
)
っているかわからない。
乱世
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
併し私達は、名所旧蹟を見物するよりも、かうして二人連れで互に身の上話をしながら歩いてゐるのが楽しかつた。
孤児
(
みなしご
)
の子供の
姉弟
(
きやうだい
)
が知らぬ他郷に
漂浪
(
さすら
)
ふやうに——。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
何処からともなく
漂浪
(
さすら
)
うて来た
傀儡師
(
くぐつまはし
)
の肩の上に、生白い
華魁
(
おゐらん
)
の首が、カツクカツクと眉を振る物凄さも、何時の間にか人々の記憶から掻き消されるやうに消え失せて、寂しい寂しい冬が来る。
水郷柳河
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
しかも
帆桁
(
ほげた
)
は朽ち船員は死に絶えても、嵐と
凪
(
なぎ
)
を越え、七つの海を
漂浪
(
さすら
)
い行くと云われるのだが、その身は生とも死ともつかず、
永劫
(
えいごう
)
の呪縛にくくられている
幽霊船長
(
ファンダーデッケン
)
と——きしみ合う二つの車輪
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
何處からともなく
漂浪
(
さすら
)
ふて來た
傀儡師
(
くぐつまはし
)
の肩の上に、生白い
華魁
(
おいらん
)
の首が、カツクカツクと眉を振る物凄さも、何時の間にか人々の記憶から掻き消されるやうに消え失せて、寂しい寂しい冬が來る。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
われは思ふ、かかる夜景に
漂浪
(
さすら
)
へる者のうれひを
浅草哀歌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
漂浪
(
さすら
)
ひながら
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“漂浪”の意味
《名詞》
漂うような大きな波。
さまようこと。放浪すること。
(出典:Wiktionary)
漂
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
浪
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“漂浪”で始まる語句
漂浪人
漂浪楽人
漂浪民
漂浪者
漂浪零落