乱世らんせい
戊辰正月、鳥羽伏見の戦で、幕軍が敗れたという知らせが、初めて桑名藩に達したのは、今日限りで松飾りが取れようという、七日の午後であった。 同心の宇多熊太郎という男が、戦場から道を迷って、笠置を越え、伊賀街道を故郷へと馳せ帰って来たのである。 …
作品に特徴的な語句
ころ ひら おか いだ まど 采女うぬめ 時期どき 大砲おおづつ 不図はからず 豈料あにはか つか こぞ 後立うしろだて いくさ 素面すめん 退 狼狽うろた 仰向あおむけ 有様ありよう がら 何卒なにとぞ にせ 独言ひとりごと 背後うしろ くじ かま たしな 穿 生命いのち 石榑いしぐれ 石見いわみ 禁闕きんけつ 神籤みくじ 社稷しゃしょく うずくま かなえ 麾下きか 首級しるし 面当つらあて おもて かすがい さえぎ 辿たど ゆる 赤熊しゃぐま けな したた 見物みもの 自棄やけ 新谷しんたに 罷在まかりあり ののし 員弁いなべ 布片きれ 巨椋おぐら きっ 寒気さむけ なだ 定敬さだたか めと みだ いが 帯刀たてわき 咽喉のど とが 可承うけたまわるべく 匕首あいくち 初々ういうい 今日こんにち 不残のこらず 所化しょけ よろこ 梟首さらしくび 柄頭つかがしら 旧臘きゅうろう 旗影はたかげ しりぞ たお かたき 手枷てかせ 漂浪さすら 戊辰ぼしん 慶喜よしのぶ 慴服しょうふく 怏々おうおう 忌々いまいま 徒士かち あと 弘枝ひろえ