“不残”のいろいろな読み方と例文
旧字:不殘
読み方割合
のこらず77.8%
みんな11.1%
すっかり5.6%
そっくり5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
病院に入切はいりきりで居ながら、いつの何時なんどきには、姉さんが誰と話をしたッて事、不残のこらず旦那様御存じなの、もう思召おぼしめしったらないんですからね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なあ甲助、どうせ養子をするほども無い財産しんだいだから、かかあが勧める嚊の甥なんぞの気心も知れねえやつを入れるよりは、怜悧りこう天賦たちいあの源三におらがったものは不残みんなるつもりだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それは大変だが巡「はい手も無く捕縛して仕舞いました夫に彼れ全く逃れぬ所を見てか不残すっかり白状して仕舞いました警「や、や藻西が白状したとな」
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
拵えて行ったものなどを不残そっくりくして、旅費と当分の小遣にも足りぬくらいの金を、すこしばかりの家財を売払って持って来た姉は、まだ乳離れのせぬちいさい方の男の子をひざにのせて
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)