“すっかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悉皆63.4%
全然29.6%
全部5.6%
尽底1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京は火事があぶねえから、好い着物は預けとけや、と云って、東京の息子むすこの家の目ぼしい着物を悉皆すっかり預って丸焼にした家もある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「いゝえ、お休みする頃には自分が悪かったって悉皆すっかりあやまったから、堪忍してやったのよ。私、前から辻村さんが少し癪に障っていましたからね」
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
本堂や墓場の掃除でもして罪滅しをして一生を送りいので、段々のお話で私は悉皆すっかり精神たましいを洗い、誠の人になりましたから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれが悉皆すっかり判ればほど面白かろうと思うのですが、うでしょう、あなたには……。読んで下さることはできますまいか。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
悉皆すっかり戸で囲ってのぞく事が出来でけねえ、何うかしてと思ってると、節穴が有ったから覗くと、意地えじの悪い穴よ、はすに上の方へ向いて
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まあ、自分の勝手なお饒舌しゃべりばかりしていて、おかん全然すっかりちゃった。一寸ちょっと直して参りましょう。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あまりのことに千利休は全然すっかり顔色を失ったが、心配の余り明日あすとも云わずその夜の中に御殿へ伺候し強いて秀吉に謁を乞い事の始終を言上した。
郷介法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と言って、襦袢の袖口で眼を拭いてくれるから、私のことと婆さんのこととは理由わけ全然すっかり違っているとは知っていながら、
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
全然すっかり力が脱けて了った。太陽は手や顔へ照付ける。何かかぶりたくもかぶる物はなし。せめて早く夜になとなれ。こうだによってと、これで二晩目かな。
「お勢を疑うなんぞと云ッておれ余程よっぽどどうかしている、アハハハハ。帰ッて来たら全然すっかりはなして笑ッてしまおう、お勢を疑うなんぞと云ッて、アハハハハ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
どうやらこれは隠語を隠した独楽は、あれ以外にも幾個いくつかあるらしく、それらの独楽を悉皆みんな集めて全部すっかりの隠語を知った時、はじめて秘密が解けるものらしい。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
老女 誰でもわたしを助けようと思えば、自分自身をわたしにくれなけりゃ、わたしに全部すっかりくれなけりゃ。
もちろん彼にはこれらの意味を全部すっかり解する事は出来なかった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いや、君の鳥渡した手脱りからだよ。大体、弾条ゼンマイ全部すっかり弛み切れているなんて、使っている蓄音機には絶対にあり得る状態じゃない。君は兇行後に凡ゆるものを原形に戻して置いた許りでなく、故意に自分の口から出さず他人に云わせて、不在証明アリバイを極めて自然な様に見せかけ様としたのだ。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
始めて橋本に逢ったのに舌の長いことを云うから、生空なまぞらつかって泣いて見せてとう/\……關善には内証だよ、鈴木屋さんに知れても悪いから黙ってゝおくれよと尽底すっかりだまして口留くちどめたが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)