“すつかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悉皆53.3%
全然33.3%
明細4.4%
確然4.4%
全体2.2%
全紙2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前の晩に悉皆すつかり荷造りして置いた見窄みすぼらしい持物を一臺のくるまに積み、夜逃げするやうにこつそりと濃い朝霧に包まれて濕つた裏街を
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
宅の方へ始は委任して参つたので御座いましたけれど、丁度去年の秋頃から全然すつかり此方こちらへ引継いで了ふやうな都合に致しましたの。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私其時取次に出たから明細すつかり見てやつたんですが、これ(と頭に手をやつて、)よりもモツト前髪を大きく取つた銀杏返しに結つて、衣服きものは洗晒しだつたけど、可愛い顔してたのよ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
モウ確然すつかり普通の女でなくなつた証拠には、アレ浩さんも見たでせう、乞食をして居乍ら、何時でもアノ通りべにをつけて新らしい下駄を穿いて居ますよ。夜は甚麽どんな処に寝るんですかネー。——
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「あしきをはらうて救けたまへ。」の御神楽みかぐらうたと代り、大和の国の総本部に参詣して来てからは、自ら思立つてか、唆かされてか、家屋敷所有地もちち全体すつかり売払つて、工事費総額二千九百何十円といふ
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
時としては艶種つやだねが二面の下から三面の冒頭あたまへ続いて居る様な新聞だつたのが、今では全紙すつかり総ルビ付で、体裁も自分だけでは何処へ出しても恥かしくないと思ふ程だし
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)