“確然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちやん20.0%
しつかり15.0%
はっきり15.0%
しっかり10.0%
すつかり10.0%
はつきり10.0%
かくぜん5.0%
かつきり5.0%
しか5.0%
しつか5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで甲田は、自分がその祕訣を知つた抑々そも/\の事から話して聞かした。校長は出席簿を碌々つけないけれども、月末には確然ちやんと歩合を取つて郡役所に報告する。
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
人情の花もなくさず義理の幹も確然しつかり立てゝ、普通なみのものには出来ざるべき親切の相談を、一方ならぬ実意じつの有ればこそ源太の懸けて呉れしに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
従って、それ程頻繁に自動車の通る途ではないから、其処の路上に、残雪に濡れて確然はっきりと印された新しい車輪タイヤの跡を発見することは、比較的容易な仕事だった。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「それでは僕はこれから行って来るから、留守を確然しっかり預かっていてくれ。」
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
モウ確然すつかり普通の女でなくなつた證據には、アレ浩さんも見たでせう、乞食をして居乍ら、何時でもアノ通りべにをつけて新らしい下駄を穿いて居ますよ。夜は甚麽どんな處に寢るんですかネー。——
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
河上の方には徳島の城山が確然はつきり見える。川を通る舟もない。唯古田に寄つた川岸の茅野に風が渡つて、今年出た青い細い葉に波が打つて居る。
時雨しぐれくもえいずるもみぢこずゑ確然かくぜんあがつてながら天鵞絨びろうどふかんでやうにもえた。まへそらさゝへてつた二でうしろはしら幟旗のぼりばたであつた。幟旗のぼりばたまずばた/\とひるがへつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此団扇をかざして立つた姿勢がい。流石さすが専門家はちがひますね。茲所こゝに気がいたものだ。光線が顔へあたる具合がうまい。かげと日なた段落だんらく確然かつきりして——顔丈でも非常に面白い変化がある
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
以て私しへ仰せきけらるゝやと申立るを越前守殿きかだまれ長庵其みぎりは確然しかとした證據人のなかりし故なり此度は其せつの證據人と對決申し付る間其時有無うむ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うしてかれ卯平うへいたいする憎惡ぞうをねんかれこゝろきり穿うがつてさらくぎもつ確然しつかちつけられたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)