“有無”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うむ75.5%
あるなし8.5%
ありなし6.6%
ゆうむ4.7%
いうむ2.8%
ほど0.9%
アリナシ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただしだぞ、万一またも失策しくじッたばあいは、有無うむをいわせず頭を丸坊主にして、国元の寺へ左遷させんするぞと、先に言い渡してからつらを出せ
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒子の有無あるなしは別にどうでもよい事であるが、風呂屋の番頭さえ気のつかない事を、どうして新聞記者が知っていたのだろう。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
獲物の有無ありなしでおもしろ味にかわりはないで、またこの空畚からびくをぶらさげて、あしの中を釣棹つりざおを担いだ処も、工合のい感じがするのじゃがね。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
されば小説家たらんとするものはまづおのれが天分の有無ゆうむのみならず、またその身の境遇をも併せかえりみねばならぬなり。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
私はただ両国橋の有無いうむかゝはらず其の上下かみしも今猶いまなほ渡場わたしばが残されてある如く隅田川其の他の川筋にいつまでも昔のまゝの渡船わたしぶねのあらん事をこひねがふのである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
色気の有無ほどが不可解である。ある種のうつくしいものは、神がおしんで人に与えない説がある。なるほどそういえば、一方円満柔和な婦人に、菩薩相ぼさつそうというのがある。続いて尼僧顔がないでもあるまい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ミコトにそむく そむかず 正し見て、罪の有無アリナシ うたがひはらせ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)