“無何有”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかう77.8%
むかいう11.1%
むがう11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室内はあらゆる人間の五感に負担を与えるものを無何有むかうの彼方にほろぼし去ってただ味覚へばかりの集中へ誘う——聖なる食魔達の登壇。
食魔に贈る (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「東方の人」はこの「衛生学」を大抵涅槃ねはんの上に立てようとした。老子は時々無何有むかいうの郷に仏陀ぶつだと挨拶をかはせてゐる。しかし我々は皮膚の色のやうにはつきりと東西をわかつてゐない。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
春の山辺の遊びかや、ほの暖かき無何有むがうの郷。囀る小鳥、咲く花の、床しき薫り身にしめて。ふわりふわりと、風船に、乗つたは、いつぞ。あれ山が、海も見えるは舞子に似た。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)