わたしは彼是十年ばかり前に芸術的にクリスト教を——殊にカトリツク教を愛してゐた。長崎の「日本の聖母の寺」は未だに私の記憶に残つてゐる。かう云ふわたしは北原白秋氏や木下杢太郎氏の播いた種をせつせと拾つてゐた鴉に過ぎない。それから又何年か前には …
著者 | 芥川竜之介 |
ジャンル | 哲学 > キリスト教 > キリスト教 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「改造」1927(昭和2)年8月号 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約29分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約48分(300文字/分) |