“厠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわや80.5%
かはや10.5%
はばかり4.3%
まじ1.0%
かわ0.5%
ごふじょう0.5%
しも0.5%
ちょうずば0.5%
ちようず0.5%
はゞかり0.5%
べんじょ0.5%
カワヤ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十歳を越えて猶(なお)、夜中(やちゅう)一人で、厠(かわや)に行く事の出来なかったのは、その時代に育てられた人の児(こ)の、敢て私ばかりと云うではあるまい。
狐 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
井戸は小屋を懸(かけ)、厠(かはや)は雪中其物を荷(になは)しむべき備(そなへ)をなす。雪中には一点(てん)の野菜(やさい)もなければ家内(かない)の人数(にんず)にしたがひて、雪中の食料(しよくれう)を貯(たくは)ふ。
やがて厠(はばかり)の板戸を鳴らして額へ太い皺を寄せた器量のよくない血色の悪い四十女が、乳呑児を横抱きにして、手も洗わないで出てきた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
中にはこれを取巻に厠(まじ)うるはあるいは酷に失するかも知れぬと思われる人もある。しかし区別して論ずることもまた容易でない。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
のごとく「香、塔、厠(かわ)、屎、鮒、奴」等結びつき難き六語を巧みに結びつけて意味ある一つの歌を作ったことが、当時のある人々には喜びであった。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
庭口から女中さんが厠(ごふじょう)へくるときは、外で下駄をぬいでくるほど小庭の中はきれいで、浜でとれる小貝や小砂利が磨いてしいてある。外は紺屋(こうや)の張り場だった。
「あら。ももんがあが、お厠(しも)から出ますの」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
やはりお厠(ちょうずば)に行かなくちゃあならん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
何事(なにごと)も無(な)く納(おさま)りのつき、今日(けふ)は一人(ひとり)でお厠(ちようず)にも行(ゆ)かれるやうに成(なり)ました、右(みぎ)の譯故(わけゆゑ)の手間(てま)どり、昨日(きのふ)家(うち)を出(で)まする時(とき)も、氣(き)がわく/\して何事(なにごと)も思(おも)はれず、後(あと)にて思(おも)へば締(しま)りも付(つ)けず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
板垣氏はその湯沸(サモワル)を台所におかないで、所もあらうに厠(はゞかり)に置いてゐるのだ。
「そう、餅屋の姉さんかい……そして何だぜ、あの芝居の厠(べんじょ)に番をしている、爺(じい)さんね、大どんつくを着た逞(たくま)しい親仁(おやじ)だが、影法師のように見える、太(ひど)く、よぼけた、」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
埒外(らちがい)に置かれ三人の男達、五十嵐、伊東、望月の訊問が続けられると、この三人は相前後して、当時厠(カワヤ)に起きたと申し立て来た。
雪 (新字新仮名) / 楠田匡介(著)