“まじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マジ
語句割合
66.2%
17.6%
10.5%
1.5%
0.7%
混交0.6%
0.4%
0.4%
交際0.2%
0.2%
0.2%
散在0.2%
0.2%
0.2%
混和0.2%
真目0.2%
禁厭0.2%
0.2%
間敷0.2%
間近0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俊助は近藤の隣へ腰を下しながら、こう云うハイカラな連中にまじっている大井篤夫おおいあつお野蛮やばんな姿を、滑稽に感ぜずにはいられなかった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雪は浅くて、ところどころに砂礫まじりの乾いた土が露出し、開墾のために立木を伐採したあとの切株が、雪原に点々と黒く残っていた。
荒野の冬 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
何といったって、今夜のような深いまじりっ気のない歓びというものは、おれとしては、二度と再びあじわうことの出来ない心持なんだ——
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
震災前、即ち改築前の大學の庭には此草が毎年繁茂して、五月なかばには紅緑の粒をまじへた可憐な花の穗が夕映のくさむらに目立つた。學生として僕ははやく此草の存在に注意した。
すかんぽ (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
まじの露。——いざ諸共にしてあらなむ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
然も眉間の間には心配と反抗との混交まじった凄味を漂わせて居る。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
了蓮と定生との關係、清久の名を其間にまじへた理由は、過去帳別本の記載に由つて明にすることが出來ない。師岡氏未亡人は或はわたくしに教へてくれるであらうか。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
或は渇驥かつきの澗に飲むが如く、或は臥牛の道に横たはる如く、五色陸離として相まじはり、しゆん率ね大小の斧劈を作す、も荷葉披麻を作すものあり、波浪を濯ふて以て出づ、交替去来、応接に暇あらず
日本ライン (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「ホレーショー。おぬしこそはわしが交際まじろうた人のなかの真の君子人じゃ」
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いまわれ意中の人の傍にありて見れば、さきに厭はしと見つるとは樣かはりて、けふの祭のにぎはひ又面白く、我はふたゝびきのふ衆人に立ちまじりて遊びたはぶれし折に劣らぬ興を覺えき。
かつての自分のほこりであった・白刃はくじんまえまじわるも目まじろがざるていの勇が、何とみじめにちっぽけなことかと思うのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
獣皮で作った天幕がその間に点々と散在まじっているのも別世界らしいおもむきがある。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もつともこれは、一本によると、ヒトニナリテでなくて、ヒトニマジリテとあるが、両方ともその後に歌之ウタウと書いてあるから、人にけたにしろ、人にまじったにしろ
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
朝鮮半島に於ける国を内屯倉ウチツミヤケと称したのも、実は、蕃国使に宣せられる詔旨に、其大国を、日本の内なる屯倉ミヤケ同格に、取扱ふといふ意味の発想法が、まじつてゐたからの事と信じてゐる。
高御座 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それから別の鍋へ胡麻ごまの油と砂糖とを半分ずつ入れて火の上で煮立てるが油と砂糖はなかなか混和まじらない。それを混ぜるためホンの少しばかり酒を加える。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
さあ、のつぺらぱうか、目一めひとつか、おのれ真目まじ/\とした与一平面よいちべいづらは。まゆなんぞ真白まつしろはやしやがつて、分別ふんべつらしく天窓あたま禿げたは何事なにごとだ。顱巻はちまきれ、恍気とぼけるな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると樟脳や包袋においぶくろの香りと一緒に、長らくしまわれていたものの古臭いような、それでいて好もしい、匂いもまじって鼻を打ってくるのでした。
虫干し (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)
やぶらするのも氣の毒千萬私しも今迄けつして他言たごんは致す間敷まじとは思ひしがお前が私の言葉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
帆村探偵ともあろうものが、ヒョイと立って手を伸ばせば届くような間近まじかに、何時間も坐っていた殺人犯人をノメノメと逮捕しそこなったのだった。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)