“他言”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たごん88.2%
ひとごと11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
神仙は尊に向って、「十年間はこのことを他言たごんしてはならん」と云った。尊はそのめいを守って十年過ぎても何人たれにも云わなかった。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
やむを得ず、少し語勢を変えて「いいさ。何でも話すがいい。ほかに誰も聞いていやしない。わたしも他言たごんはしないから」とおだやかにつけ加えた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
母親は何やらモゾクサしてゐて、「わしもナ、ひよツとすると、此の冬あたりはくやも知れンてノ。」と他言ひとごとのやうに平気でいふ。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
他言ひとごとはまことこちたくなりぬともそこにさはらむ吾ならなくに」(巻十二・二八八六)。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)