“化”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
35.3%
ばけ22.7%
11.7%
8.3%
8.0%
ばか6.0%
くわ3.0%
かは1.1%
1.1%
かわ0.9%
くわし0.5%
かたち0.2%
バケ0.2%
なっ0.2%
ばアけ0.2%
ナイズ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて大きなつめでひっかくようなおとがするとおもうと、はじめくろくもおもわれていたものがきゅうおそろしいけもののかたちになって
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
実は、その——貴女にとって不運なおばけが、僕に詩想を作ってくれました。これがもし春ならば、あの辺は花粉と匂いの海でしょう。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
くして、三日ののちに重蔵は死んだ。人間の運命は不思議なもので、彼は故郷こきょうの土とるべく、偶然にここへ帰って来たのであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すずめしてはまぐりたぐいにもれず、あらかた農を捨てて本職の煙火師に化けてしまったというのが伝えられているこの郷土沿革なのである。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又人きながらにして鬼にするもあり。五八楚王そわうの宮人はをろちとなり、五九王含わうがんが母は六〇夜叉やしやとなり、六一呉生ごせいが妻はとなる。
そうって、勝平は叮嚀に言葉を切った。老狐ろうこばかそうと思う人間の前で、木の葉を頭からかぶっているような白々しさであった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
我が越後にも化石渓あり、魚沼郡うをぬまこほり小出こいでざい羽川はかはといふたに水へかひこくさりたるをながししが一夜にして石にくわしたりと友人いうじん葵亭翁きていをうがかたられき。
それらがひとたび彼の体や心の具合に結びつくと、それはことごとく憂欝な厭世的なものにかはつた。雨は何時まででも降りやまない。
島の生きて動くこと、繋ぎ留めた柱の折れたこと、其が岩につて残つたこと、此等は民譚としては、珍らしく神話の形を十分に残して居るものと言へる。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
まゆに籠っていたさなぎかわり、不随意に見えた世界を破って、随意自在の世界に出現する。考えてみればこの急激な変貌のおそろしさがよく分る。受身であった過去は既に破り棄てられた。
東游記とういうきに越前国大野領の山中に化石渓くわせきたにあり。何物にても半月あるひは一ヶ月此たにひたしおけばかならず石に化す、器物きぶつはさらなり紙一そくわらにてむすびたるが石にくわしたるを見たりとしるせり。
霎時しばらく聞かせたまへ。我今かりかたちをあらはしてかたるといへども、神にあらず仏にあらず、もと一〇五非情ひじやうの物なれば人と異なるこころあり。
又宇宙の大活動宇宙の大意思なるものも同樣全く臆測に外ならぬもので概して不可思議的神秘的超自然的バケ物的の力を想像するに過ぎぬ、然るに宇宙は決して左樣なものでない
進化学より見たる哲学 (旧字旧仮名) / 加藤弘之(著)
腐れて毒となったような夜だ。暗い色はばくとしているだけだ。黒い色には底に力がある。私は暗い夜でない黒い夜だと思った。私は、深い穴を覗くような気がした。つめたな舌でなめるように風が当る。
抜髪 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けたらびつくりおオばアけ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それはいいが、一ばん始末のわるいのが、ちょいと形だけアメリカナイズしかかった欧州移民の若い連中だ。きざな服装なりにてにをはを忘れた英語を操って得とくとしている。
字で書いた漫画 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
出稼人デカセギニン根性コンジョウヤメヨ。フクロカツイデ見事ミゴト帰郷キキョウ被告ヒコクタル酷烈コクレツ自意識ジイシキダマスナ。ワレコソ苦悩者クノウシャ刺青イレズミカクシタ聖僧セイソウ。オ辞儀ジギサセタイ校長コウチョウサン。「ハナシ編輯長ヘンシュウチョウチタイモノワラワレマイ努力ドリョク
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)