なっ)” の例文
腐れて毒となったような夜だ。暗い色はばくとしているだけだ。黒い色には底に力がある。私は暗い夜でない黒い夜だと思った。私は、深い穴を覗くような気がした。つめたな舌でなめるように風が当る。
抜髪 (新字新仮名) / 小川未明(著)