“孵化”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふか65.1%
かえ23.3%
ふくわ7.0%
かへ2.3%
われ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大和やまと郡山こおりやまの旧城跡、三笠みかさ春日かすがと向き合いの暖い岡に、広い池を幾つも掘って、この中に孵化ふかする金魚の子の数は、百万が単位である。
……きっと卵が孵化かえりかけているのに違いない。そうして中に居る或る者が殻を破り得ずに苦しがっているのに違いない……と思って……。
(新字新仮名) / 夢野久作(著)
拒絶して居るにかゝはらず、講堂の内面ではかへつて盛に其の卵が孵化ふくわされて居るんだから、実に多望なる我々の将来ぢやないか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
彼は又優良なとりの卵を孵化かへして、小作人たちの飼つてゐる古い、よぼ/\の、性質たちのよくないとりとたゞで取替へてやることを申出た。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
その虱の卵が一つ一つに孵化われて、利が利を生みよる事を考えると、トテモ博多の町に居られた沙汰では御座いませぬ。こげな事にかけますと私はドウモ気の小さい方と見えまして……ヘイ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)