“われ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワレ
語句割合
47.8%
26.6%
11.9%
3.6%
1.3%
1.3%
1.3%
0.8%
0.5%
0.5%
自分0.5%
0.3%
吾儕0.3%
乃公0.3%
0.3%
吾身0.3%
0.3%
孵化0.3%
後死者0.3%
我子0.3%
破片0.3%
老父0.3%
老爺0.3%
0.3%
自家0.3%
自己0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われゆゑぬるひとのありとも御愁傷ごしうしようさまとわきくつらさ他處目よそめやしなひつらめ、さりともおりふしはかなしきことおそろしきことむねにたゝまつて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だから、一時的にはわれは海尊と名乗って、実歴風に処々の合戦や旅行を説くことは、いずれの盲法師めくらほうしも昔は通例であったかと思うが。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
圓次どんが見兼て引いてくれたら青が歩くから、おれ馬を引いてやんべいから、われ荷担いでけえれと云って、圓次どんは先へけえりやしたよ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
子曰く、賜や、なんじわれを以て多く学びて之を識る者と為すかと。ことえて曰く、然り、非なるかと、曰く、非なり。われ一以て之を貫くと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
あしひきのやまきしかば山人やまびとわれしめしやまづとぞこれ 〔巻二十・四二九三〕 元正天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
再發さいはつさせ科人とがにんの身と成し事思ひ知れやとひながら奉行ぶぎやうの方に打向ひわれるばかりの大音だいおんあげ是迄したる我が惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
牛! われを助けよ、と思わず救を求めると、その黒い男が手を差伸べて、上からのし掛かる無限の重みを支えてくれる。
牛人 (新字新仮名) / 中島敦(著)
○茶店の老婆子ろうばしわれを見て慇懃いんぎん
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
初て死体しがいを見し時の驚きと恐れとは何時いつしか消えて次第に物の理を考うる力もわれかえりしかば余は四辺あたりに在るすべての物に熱心に注意を配り熱心に考え初めぬ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
此雪こほりて岩のごとくなるもの、二月のころにいたれば陽気やうき地中よりむしとけんとする時地気と天気とのためわれひゞきをなす。一へんわれ片々へん/\破る、其ひゞき大木ををるがごとし。これ雪頽なだれんとするのきざし也。
自分われを制せず、魔に魅入られたるもののごとく、踊りかかり、飛び上り、髪乱れ、色あおざむ。って打って打ちのめしつつ、息を切る)
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まア寺男からおさんの子じゃア有るけれども眞達さんまでもわれえ事にそまりまして、それからおさん此の頃寺で賭博ばくちますと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さん宗慈寺の永禪和尚と云う者はえらい悪党でありみすと、前町の藤屋七兵衞と云う荒物屋が有って、その女房じゃアまアのお梅というのとわれえ事をしたと思いなさませ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
夫ぢやアやつて下さるか如何いかに吾儕われがことをかまて見せようが此姿すがたでは如何どうかう詮方しかたがねへ付ては身姿みなりこせへるだけ金をば五兩貸てくれ。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
茶々風茶ちや/\ぷうちやたらば女は吾儕われの物ときはめてはゐるが手段にこまり其所で兄貴に相談に來たが趣向しゆかう無物なきものかと問はれて元益笑ひ出し世に自惚うぬぼれ瘡氣かさけのない者はないとぞ言にたがはずお光は未だ手に入ねば此婚禮こんれい破談はだんに成てもお主の方へ來るか來ねへか其所の所はわからぬが是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「昔は五百石の御朱印ごしゆいんで」なぞと言つても、「乃公われの家の糊米のりまいだ」と京子の父は高をくゝつて道臣を見下げた。腹がめかけだといふので、長女には生れてゐても、京子は弟や妹ほど父に重んぜられなかつた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
渤海奇毒きどくの書、唐朝官家に達す。なんじ高麗こうらいを占領せしより、吾国の近辺に迫り、兵しばしばさかいを犯す。おもうに官家の意に出でむ。われ如今じょこんうべからず。
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それも初めしばしがほどにて、後には癇癪かんしゃくほこさき直接に吾身われに向かうようになりつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
三重みえにうねる細き金の波の、と合うてふくれ上るただ中を穿うがちて、動くなよと、安らかにえたる宝石の、まばゆさはあめしたを射れど、こぼたねば波の中より奪いがたき運命は、君ありてのわれ
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その虱の卵が一つ一つに孵化われて、利が利を生みよる事を考えると、トテモ博多の町に居られた沙汰では御座いませぬ。こげな事にかけますと私はドウモ気の小さい方と見えまして……ヘイ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
子、きょうとら(拘)わる。曰く、文王すでに没したれども、文はここ(吾が身)にあらずや。天のまさの文をほろぼさんとするときは、後死者われ(孔子自らいう)は斯の文にあずかるを得ざるべし。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
女すなわち答えていわく、われ能わざるなり、汝もしよく我子われの金蔵を示さば、然るのちにすなわちまさに速やかに汝のためにすべし、と。
「おい、みんな見ろやい!」と、別の一人が甕の破片われを手に取りあげながら言つた。その甕の残りの半分だけがチェレヸークの頭に被さつてゐるのだつた。
これはな願ひを聞くものかな、おそかれ早かれ、いづれ持たねばならぬ妻なれば、相應ふさはしき縁もあらばと、老父われも疾くより心懸け居りしぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
つくろひ無き誠實まことなれば今とて更に衰るよしはなけれど、一にもおらん樣二にもおらん樣と、我がものゝやうに差出たる振舞さりとは物しらずの奴かな、御産湯の昔しより抱き參らせたる老爺われさへ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
婦人はとにもかくにも遣過やりすごせしが、又何とか思直おもひなほしけん、にはかに追行きて呼止めたり。かしら捻向ねぢむけたる酔客はくもれるまなこと見据ゑて、われひとかといぶかしさにことばいださず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この国家の大事に際しては、びょうたる滄海そうかいの一ぞく自家われ川島武男が一身の死活浮沈、なんぞ問うに足らんや。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
もつらす苦い珈琲の風味は決して自己われを忘れたロマンチツクな空の幻でも単純な甘いセンチメントの歎きでもない。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)