われ)” の例文
旧字:
せしとて甚だ通なりかつ出立しゆつたつの時に曰く木曾海道美人に乏し和田峠西もちや村の餅屋に一人また洗馬せばに一人あり洗馬のはわれ未だ其比を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
子曰く、賜や、なんじわれを以て多く学びて之を識る者と為すかと。ことえて曰く、然り、非なるかと、曰く、非なり。われ一以て之を貫くと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
子、南子なんしを見る。子路よろこばず。夫子ふうしこれちかいて曰く、われよからぬところあらば、天之をてん、天之をてんと。(雍也、二八)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
然るを、われの留守にて、むなしく還すはつれ無し。世上、年に一度の釣をもぬ人多し。一日二日の辛抱何か有らん。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
きょうの地で暴民に囲まれた時昂然こうぜんとして孔子の言った「天のいまだ斯文しぶんほろぼさざるや匡人きょうひとそれわれをいかんせんや」が、今は子路にも実に良くわかって来た。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
われ汝等おぬしら確執なかたがひ等閑なほざり視過みすごしたるつみによって、近親うから二人ふたりまでもうしなうた。御罰ごばつれたるものはない。
相※あひづわれ切腹せつぷく致すなりと申渡されけるに家中の面々大におどろ今宵こよひこそは殿樣とのさまへの御暇乞おいとまごひなりとて不覺そゞろに涙をながし各々座敷へ相詰あひつめける越前守は家中一同を屹度きつと見て池田大助だいすけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『日蓮ハ日本国ノ棟梁とうりようナリ、われヲ失フハ日本国ノ柱幢はしらヲ倒スナリ——』これは撰時鈔せんじしょう——
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
〔譯〕ふんの一字、是れ進學しんがく機關きくわんなり。しゆん何人なんぴとぞや、われ何人ぞや、まさに是れふん
われ口張ってう能わず、また何ぞ老耼を規さんや(『荘子』)。
舍予復有誰 われいて復た誰か有る。
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
ああわれ 蓬蒿ほうこうの人
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
読みて大尉たいゐ壮行さうかうわれともにするの感あり、此日このひよりのちことにして、此日このひ只一人たゞひとりうれしくて、ボンヤリとなり、社員にもせず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
天の将に斯の文をほろぼさんとするや、後死の者斯の文に与るを得ざるなり。天の未だ斯の文を喪さざるや、匡人其れわれを如何せんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
当時は、われ未だ、鯉釣を試みしこと無かりしかば、更に細かに質問せらるゝ時は、返答に差支ふべきを慮り、得意の中にも、何となく心安からざりし。
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
子曰く、われ言うなからんと欲す。子貢曰く、子し言わずんば、小子しょうし何をか述べん。子曰く、天何をか言わん、(然れども)四時行なわれ百物る。天何をか言わん。(陽貨、一九)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
白洲しらすへ呼入ければ大岡殿見られて汝ぢは如何なる願ひ有るかわれは大岡越前守なるぞ其方の名は何と申又住居ぢうきよは何處成ぞ申立よと云れしかば城富は喜びたるていにて私し儀は城富と申者長谷川町はせがはちやう地主ぢぬし嘉兵衞かへゑが地面にをり候と申けるに大岡殿して又其方は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
陽貨ようか、孔子を見んと欲す。孔子まみえず。孔子にいのこおくる。孔子其の亡きを時として、往きて之を拝す。これみちに遇う。孔子に謂いて曰く、来れ、われなんじと言わんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
子曰く、天徳をわれせり。桓魋かんたいそれ予を如何せん。(述而、二二)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)