“伊予簾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いよすだれ60.0%
いよす40.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静かに縁側へお上がりになり、格子に隙間すきまの見える所へ宮はお寄りになったが、中の伊予簾いよすだれがさらさらと鳴るのもつつましく思召おぼしめされた。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
むかし、小堀孤蓬庵が愛玩したといふ古瀬戸こせとの茶入「伊予簾いよすだれ」を、その子の権十郎が見て、
侘助椿 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
風に動いてゐる伊予簾いよすだれ、御浜御殿の森のからすの声、それから二人の間にある盃洗はいせんの水の冷たい光——女中の運ぶ燭台の火が、赤く火先ほさきなびかせながら、梯子段の下から現はれるのも、もう程がないのに相違あるまい。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
だからこの船宿の表二階にも、葭戸よしどこそもう唐紙からかみに変つてゐたが、江戸に未練の残つてゐる夏は、手すりに下つてゐる伊予簾いよすだれや、何時からか床に掛け残された墨絵の滝の掛物や、或は又二人の間に並べてある膳の水貝や洗ひなどに、まざまざと尽きない名残りを示してゐた。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
喪の家として御簾みすに代えて伊予簾いよすが掛け渡され夏のに代えられたのもにび色の几帳きちょうがそれに透いて見えるのが目には涼しかった。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
彼女は縁側にちかい伊予簾いよすのかげにしとねを敷いていて——縁側には初夏ならば、すいすいと伸びた菖蒲しょうぶが、たっぷり筒形の花いけに入れてあったり、万年青おもとの鉢があったり石菖せきしょうの鉢がおいてあったりした。