“鈍”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
にぶ53.4%
どん12.7%
のろ9.7%
おぞ6.3%
にび5.6%
なま2.2%
もど1.9%
1.5%
にば1.5%
オゾ1.5%
(他:10)3.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“鈍”を含む作品のジャンル比率
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集42.9%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語14.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
お秀の口からほとばしるように出た不審の一句、それも疑惑の星となって、彼女の頭の中ににぶまばたきを見せた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
拂曉あけがたからそらあまりにからりとしてにぶやはらかなひかりたなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
糠埃のこもつたには無数の杵がこつとんこつとんとどんな音をたてて一本足の踊るやうに米をつく。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
「いや笑えません。どうしてそれがしは、こう人の心を見るにどんなのでしょう。むしろ己れの不敏に哀れを催します」と、深く悟って帰った。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男はのろいもので、この瞬間女を飛切り美しいものに見るばかりでなく、自分をも非常な勇者のやうに思違おもひちがへをする。
歩みののろい、そして長い行列がいま、西洞院にしのとういんあや小路こうじの職屋敷の門からえんえんと出て行った。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淡海公の、小百年前に実行して居る事に、今はじめて自分の心づいたおぞましさが、憤らずに居られなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
冷たい時期の間は、おぞく寒い大気の中に、ありとあらゆるものは、端という端、尖という尖から、氷柱つららを涙のように垂らして黙り込んでいた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
はなやかに春の夕日がさして、はるかな山のいただきの立ち木の姿もあざやかに見える下を、薄く流れて行く雲がにび色であった。
源氏物語:19 薄雲 (新字新仮名) / 紫式部(著)
明石の尼君の分も浅香の折敷おしきにび色の紙を敷いて精進物で、院の御家族並みに運ばれるのを見ては、
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
そして、直接、敵兵に触れ、悍馬のあしもとに蹴ちらしながら、長柄の刃が血でなまるほど、縦横無尽に、いで行った。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「目の覺めるやうな威勢のいゝ仕事は無えものかなア。此節のやうに、掻つ拂ひや小泥棒ばかり追つ掛け廻して居た日にや腕がなまつて仕樣がねえ」
庭下駄にはげたはくももどかしきやうに、でゝ縁先えんさき洋傘かうもりさすよりはや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
針箱の引出しから友仙ちりめんの切れ端をつかみ出し、庭下駄はくももどかしきやうに、せ出でて椽先の洋傘かうもりさすより早く
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
偉大な沈默を守って、夕陽はそろそろと草原の果に沈みはじめた。水の流れはゆるやかに、びた紅を底深く溶かしこんで、刻一刻と遠い狭霧の中に巻き収められて行く。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
水や曇れ、空もびよ、たゞ悲のわれに在らば、
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
しゆにばみ星のごと潤味うるみ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くもひだほのかににばみ、
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
淡海公の、小百年前に実行して居る事に、今はじめて自分の心づいたオゾましさが、憤らずに居られなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
淡海公の、小百年前に實行して居る事に、今はじめて自分の心づいたオゾましさが、憤らずに居られなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
渠が塀ぎわに徘徊はいかいせしとき、手水口ちょうずぐちひらきて、家内の一個ひとりは早くすでに白糸の姿を認めしに、渠はおそくも知らざりけり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
常におぞましう思ひ下せる卜者ぼくしやにも問ひて、後には廻合めぐりあふべきも、今はなかなかふみ便たよりもあらじと教へられしを、筆持つはまめなる人なれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ゆうべよく眠れなかったのと、寝衣ねまきで夜露に打たれたのとで、からだがだるいようにも思われた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
看板には「御たましい研所とぎどころ」と高言しているが、こんな男に武士の魂を研がせたら、とんだなまくがたなになってしまうのではあるまいか——一応案じられもする。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
周三は自分ながら自分の腕のなまくらなのに呆返あきれかへツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ソコデ一人は読む、一人は写すとして、写す者が少し疲れて筆がにぶって来るとすぐほかの者が交代して、その疲れた者は朝でも昼でもすぐに寝ると仕組しくみにして、昼夜の別なく
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
岩のくぼみにたたえた春の水が、驚ろいて、のたりのたりとぬるうごいている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
惱ましくびては見ゆれ、
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
びくゆる紫ごろも、
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
やがて、ろい、けたやうな返事をしながら、房一の湯上りでよけい赤紅あかく輝く顔がのぞいた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
ろい、ゆつくりした口調で声をかけながら、彼等はおづおづと高間医院の玄関を入つて来る。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
「チヨツ! のれえや/\、あゝ、もうあんなに濁つてしまつたぢやないか。」と歯がみをして卓を叩いたり、
雪景色 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)