“啓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひら54.8%
21.5%
もう7.5%
けい4.3%
ひらき3.2%
あか2.2%
ヒラ2.2%
あく1.1%
まを1.1%
みちひら1.1%
みちび1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いずくんぞ宇内うだいの形勢を洞察して武備主義を一変して生産主義となし、貴族社会を一変して平民社会となすの端緒をひらくを要せんや。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
広栄は左右にけた障子の一方の陰にいたので正面まともに客と顔をあわせなくてもよかった。客はあの匪徒ひとの中の松山と半ちゃんであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しかるに燕王の北平ほくへいを発するに当り、道衍これをこうに送り、ひざまずいてひそかもうしていわく、臣願わくは託する所有らんと。王何ぞと問う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けい。しばらくでしたネ。しばらく会わないうちに、貴下きか眼力がんりきはすっかり曇ったようだ。日比谷公園の吸血屍体の犯人を痣蟹の仕業しわざとみとめるなどとは何事だ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
玉を烹たるもの、そのゆゑをきゝかまふたひらきればすでに玉はなかばかれたり。其たまわたり一寸ばかりこれしん夜光やくわう明月のたまなり。俗子ぞくしやくせられたる事悲夫かなしきかなしるせり。
これは修羅の世を抜けいでて寂光の土にいたるという何ものかのひそやかなあかしなのでもあろうか。それでは自分も一応は浄火のさかいを過ぎて、いま凉道蓮台のかどさきまで辿たどりついたとでも云うのか。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
霊をヒラくに先だち、棺前で舞踏するのであるが、その目的が、凶霊を退ける信仰に由来していることは明白である。
獅子舞雑考 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
彼のせはしげに格子をあくるを待ちて、紳士は優然と内にらんとせしが、土間の一面に充満みちみちたる履物はきものつゑを立つべき地さへあらざるにためらへるを、彼はすかさず勤篤まめやか下立おりたちて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
時に、多至波奈大郎女たちばなのおほいらつめ、悲哀嘆息し、かしこみて、天皇の前にまをしていはく、これまをさむはかしこしといへども、おもふ心み難し。我が大王おほきみが母王とするがごとく従遊したまひ、痛酷いたましきことし。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
いましはた我に先だちて行かむ、はた我や汝に先だちて行かむ、こたえて曰く吾先だちてみちひらき行かむ云々、因りて曰く我を発顕あらわしつるは汝なり、かれ汝我を送りて到りませ、と〉とて
滔々とうとうと知識を振蒔ふりまいて見せる、諄々じゅんじゅんと豪者をみちびくの態度を取ってみたりする学僧もあるのですが、この学僧には絶えてそういう好意がなく、てらう気もありませんから
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)